屋根カバー工事
御依頼の経緯










こちらは、大手ハウスメーカーで建てられたお宅です。
ハウスメーカーによる定期点検で屋根のカバー工事を勧められ、見積書が提出されたことから、比較検討のために相見積りのご相談をいただきました。
現地へ伺い、屋根の状態を詳しく確認したところ、現時点で大きな問題は見受けられませんでした。そのため、「今すぐ屋根工事を行う必要はありません」と率直にお伝えしました。
そのうえで、お客様から「この状態が何十年も続くとは思っていないので、屋根が大きく傷む前にカバー工法をしておきたい」とのご希望をいただきました。
お客様の将来を見据えたご判断を受けてお見積りを作成し、今回の屋根カバー工事を施工させていただくことになりました。
下地ルーフィング貼り








仮設足場を設置した後、屋根材を屋根の上へ運ぶための荷揚げ機を設置しました。
続いて、既存の棟板金や棟下地を撤去して屋根面を平らに整え、その上から粘着層付きルーフィングの「カスタムライト」を施工しました。
荷揚げ機はどの現場でも設置できるわけではなく、敷地の広さや建物周辺の状況によっては、設置場所を確保できないこともあります。
今回のお宅は敷地が広く、荷揚げ機を問題なく設置できたため、屋根材をスムーズに運び上げることができました。
荷揚げ機を使用できない現場では、重量のある屋根材を一枚ずつ手作業で運ぶ必要があります。そのため、荷揚げ機を設置できるかどうかは、作業効率や職人の負担にも大きく関係します。
雨仕舞い板金








ルーフィングを張り終えたら、屋根本体を施工する前に、雨仕舞に重要な役物板金を取り付けます。
まず取り付けたのは、下り棟の下に入る捨て谷板金です。
横方向へ雨水が走りにくいレクトプルーフでは、捨て谷板金の重要性はそれほど高くありません。しかし、雨仕舞をしっかり考えて作られているレクトプルーフには、下り棟専用の捨て谷板金が用意されていますので、私たちは省略せずに使用します。
特に重要なのが、軒先部分の納まりです。
カバー工法では、新しい軒先水切りを既存屋根の先端へ取り付けるため、そのまま屋根材を張ると、雨水が落ちる位置が既存屋根よりも前へ出てしまいます。その結果、雨水が雨樋を飛び越えてしまう可能性があります。
そこで使用するのが「セットバックスターター」です。
新しい屋根材を軒先より外へ出さず、少し後ろへ下げた位置から張り始めることで、既存屋根とほぼ同じ位置へ雨水を落とせます。
雨樋の位置を調節したり、取り替えたりする必要がなくなる、とても便利で合理的な役物です。
屋根本体と棟板金を取り付け完了
















屋根本体を張り進め、下り棟部分は屋根の形状に合わせて一枚ずつ斜めに切断しました。
金属屋根材の切断に丸のこを使用すると、細かな鉄粉が周囲へ飛び散り、屋根に付着してさびを発生させる可能性があります。
そのため今回は、「ニブラ」という専用工具を使用しました。板金に細かな穴を連続して開けるように切断できるため、鉄粉の飛散を抑えながら加工できます。
棟下地には木材を使用し、その下には、それぞれの形状に合わせた専用のケミカル面戸を施工しました。下り棟には下り棟専用、本棟には本棟専用の部材を使用し、軒先部分にもケミカル面戸を入れています。
レクトプルーフの棟下地に使用する木材は、棟板金を固定するためではなく、棟板金のへこみを防ぐバックアップ材としての役割を持っています。
棟板金自体は、専用のパッキン付きビスを使用して屋根材本体へ固定します。木下地は屋根面へ直接接触しないため、水分の影響を受けにくく、腐食しにくい納まりです。
人工木材は水で腐りにくい材料ですが、熱によって劣化し、ボロボロになることがあります。屋根の上は非常に高温になるため、私たちはこれまでの現場経験をもとに、棟下地への人工木材の使用を禁止しています。
屋根本体と棟板金を取り付け、今回の屋根カバー工事も無事に完成しました。








