バルコニー補強、外壁カバー,塗装
御依頼の経緯










バルコニーと傷んだ外壁をまとめてリフォーム
今回のお客様からは、バルコニーの外壁が剥がれてきていることと、建物東側の外壁一面、北側の玄関横にある一部の外壁が傷んでいることについて、ご相談をいただきました。
外壁は劣化が進んでおり、部分的な補修だけでは、再び同じような傷みが発生する可能性がありました。
そこで、傷んでいる外壁については、既存の壁を無理に補修するのではなく、上から新しい金属サイディングを張るカバー工法をご提案しました。
カバー工法であれば、傷んだ外壁を保護しながら、建物の見た目もきれいに整えることができます。
バルコニーについては、表面の外壁が剥がれているだけではなく、内部の柱や梁、下地材まで腐食している可能性が高い状態でした。
そのため、工事前にお客様へ、「壁を剥がした際に内部の腐食が確認された場合は、傷んだ部分を取り除き、補強工事を行う必要があります」とご説明しました。
また、金属サイディングを施工しない外壁については、お選びいただいたサイディングに近い色で塗装し、建物全体が自然にまとまるように仕上げる計画としました。
バルコニーの補強工事と、傷んだ外壁のカバー工事、既存外壁の塗装工事を組み合わせたリフォーム内容にご納得いただき、工事をご依頼いただきました。
バルコニー補強工事
















外壁を剥がして判明したバルコニー内部の深刻な腐食
今回の工事は、バルコニーの補強工事、外壁塗装工事、金属サイディングによる外壁カバー工事の順番で進めました。
バルコニーの補強工事では、既存の外壁を剥がす解体作業が必要になります。先に塗装を行ってしまうと、解体時に発生するほこりや汚れによって、塗装したばかりの外壁を傷めてしまう可能性があります。
また、補強工事の後に金属サイディングまで完成させてしまうと、その後の外壁塗装によって、新しいサイディングを汚してしまうおそれがあります。
そこで、最初にバルコニーを解体して補強を行い、外壁下地まで施工した段階で一旦作業を止めました。その後、外壁塗装を完成させ、最後に金属サイディングを張るという施工手順としました。
バルコニーの外壁を解体したところ、内部にある間柱などの木下地は腐食が進み、ほとんど強度が残っていませんでした。
見た目には外壁の剥がれだけに見えても、内部では長期間にわたって雨水が入り込み、構造部分まで傷んでいることがあります。
今回は、腐食した木材を取り除き、残っている部分の強度を確認しながら、新しい木材を取り付けて補強しました。バルコニーを安全に使用できるように、下地から作り直していきます。
腐食の原因として考えられたのは、バルコニー上部に取り付けられていたアルミ笠木のジョイント部分です。
通常、アルミ笠木の継ぎ目には、雨水が入り込んだ場合でも建物内部へ流れず、外側へ排出されるように、ジョイントの下へ防水用の部材が取り付けられています。
ところが、こちらのバルコニーには、その部材が取り付けられていませんでした。
そのため、アルミ笠木の継ぎ目から入った雨水が内部へ直接流れ込み、木下地を長期間濡らしていたと考えられます。
さらに、既存の外壁は、外壁材と下地の間に空気を通す通気層が設けられていない直張り工法でした。入り込んだ水分の逃げ道がなく、外壁材や木下地が水を吸収し続けたことで、内部の腐食が大きく進行してしまったようです。
かなり強度が低下していたため、あと少し発見が遅れていたら危険な状態になっていた可能性もあります。表面の外壁だけを補修するのではなく、内部を確認して適切な補強を行うことが重要な現場でした。
外壁塗装


















金属サイディングと調和する色で外壁を塗装
バルコニーの補強と外壁下地の施工が終わった後、金属サイディングを張る前に、建物全体の外壁塗装を行いました。
外壁塗装には、日本ペイントの「ファインパーフェクトトップ」を使用し、全艶仕上げとしました。
今回の工事では、建物の一部を金属サイディングでカバーし、それ以外の外壁を塗装で仕上げます。そのため、それぞれの色が大きく異なると、カバーした部分だけが目立ってしまいます。
そこで、最初にお施主様に金属サイディングの色を選んでいただき、その色にできるだけ近い外壁塗料を、お施主様と施工店で相談しながら決定しました。
金属サイディングと塗装では、素材や艶、光の反射の仕方が異なるため、完全に同じ見え方にはなりません。それでも完成後は、塗装した外壁と金属サイディングの色が自然になじみ、建物全体に統一感のある仕上がりとなりました。
軒天には、日本ペイントの「ケンエースGⅡ」を使用しました。また、鼻隠しや雨樋などの付帯部分には、同じく日本ペイントの「ファインSi」を使用しています。
外壁だけではなく、軒天や鼻隠し、雨樋なども一緒に塗装することで、建物全体が明るく、きれいな印象になります。
日本ペイントは、国内で長年にわたって塗料を製造している大手メーカーであり、住宅塗装でも広く使用されています。
塗料の価格は多少高くなることがありますが、多くの施工現場で使われている製品は、施工実績や情報も豊富です。万が一、不具合につながるような問題があった場合にも、情報が集まりやすく、メーカーによる確認や改善が行われやすいという安心感があります。
外壁塗装は、完成直後の見た目だけではなく、数年後、十数年後まで建物を保護するための工事です。そのため、価格だけで塗料を決めるのではなく、メーカーの実績や信頼性も重視して選ぶことが大切です。
金属サイディングを貼り完成


















外壁塗装が完了した後、最後の工程となる金属サイディングの施工を行いました。
はじめに、アルミサッシなどの開口部周りへ両面のブチルテープを貼り、透湿防水シートを施工します。
サッシ周りは雨水が入り込みやすい部分のため、防水テープと透湿防水シートを適切に重ね、外壁内部へ雨水が侵入しにくい状態をつくることが重要です。
その上から木胴縁を取り付け、既存外壁と金属サイディングの間に通気層を確保しました。
通気層を設けることで、外壁内部へ入った湿気を外へ逃がしやすくなり、万が一、水分が入り込んだ場合にも下へ排出しやすくなります。
バルコニー下の軒天部分には、木下地を取り付けた上から角波板金を施工しました。
この部分には、透湿防水シートや防水テープを施工していません。軒天部分をシートで塞いでしまうと、内部へ入り込んだ水が排出されず、かえって水分を溜め込む原因になることがあるためです。
防水工事では、雨水を入れないことだけでなく、万が一入った水をどのように外へ排出するかも考えなければなりません。
また、軒天の板金と外壁サイディングが接する部分には、オーバーハング水切りを取り付けました。
オーバーハング水切りは、外壁を伝って流れてきた雨水を軒天側へ回り込ませず、外側へ排出するための大切な部材です。
そして、今回のバルコニー腐食の大きな原因となっていた、アルミ笠木のジョイント部分についても対策を行いました。
既存のアルミ笠木には、ジョイントから入った雨水を外へ流すための下敷きとなる部材が取り付けられていませんでした。
そこで、今回は板金を加工して下敷きとなる部材を製作し、アルミ笠木のジョイント部分へ取り付けました。これにより、継ぎ目から雨水が入った場合でも、バルコニー内部へ直接流れ込みにくい納まりとしています。
最後に金属サイディングと各部の役物を取り付け、すべての工事が完成しました。
今回は、金属サイディングで仕上げた外壁と、塗装で仕上げた外壁が組み合わさる工事でしたが、それぞれの色を近づけたことで、近くから見ても違和感の少ない仕上がりとなりました。
外観がきれいになっただけでなく、腐食していたバルコニー内部も補強され、雨水が入り込んでいた原因部分も改善されています。
見えない内部まで適切に直すことで、これからも安心してお住まいいただけるバルコニーと外壁になりました。
このたびは工事をご依頼いただき、誠にありがとうございました。








