バルコニーの腐食補強工事
ご依頼の経緯










サイディングの割れを調査したところバルコニー内部の腐食が判明
今回のお客様から最初にご相談いただいたのは、1階部分にあるバルコニー下の外壁補修についてでした。
サイディングの出隅部分が割れ、約1cmの隙間ができてしまったため、その部分を塞いでほしいというご依頼です。
現場調査で状態を確認したところ、サイディングの割れ方に通常とは少し違う違和感がありました。
そこで、開いている隙間からライトを当てて内部を確認したところ、外壁内部の下地に腐食が発生していることが分かりました。
このような状態の場合、表面の隙間だけをコーキングなどで塞いでも根本的な解決にはなりません。
むしろ、水が入り込んでいる原因を残したまま表面を塞いでしまえば、見えないところでさらに腐食が進行する可能性があります。
そのためお客様には、まず腐食の原因を確認する必要があることをご説明しました。
調査を進めると、原因として考えられたのが、その真上に設置されているバルコニーでした。
こちらのバルコニーは長さが10m以上あり、全体を確認したところ、複数箇所で水が溜まっている部分が確認できました。
さらにバルコニーの床を歩いて確認すると、床全体に通常よりも柔らかい、いわゆる「ふわふわする」ような感触がありました。
長年その状態で使用されていたお客様は特に違和感を感じておらず、「こういうものだと思っていた」とのことでした。
一般的なバルコニーでは、床下地として24mm程度の厚みのある合板などが使用されます。
しかし今回の床は、歩いた感触からも十分な強度が残っていない可能性が考えられました。
また、バルコニー内側の壁にも膨らみが確認されました。
こちらも内部へ雨水が入り込み、下地が腐食したことによって発生している可能性が高い状態でした。
外壁やバルコニーの雨漏り・腐食は、表面だけを見ても内部の状態が分からないことがあります。
今回も、最初のご相談は「サイディングの1cmほどの隙間を塞いでほしい」というものでしたが、詳しく調査したことで、バルコニー内部にまで問題が広がっていることが分かりました。
調査内容と必要となる工事をご説明し、お見積もりを提出したところ、後日正式に工事をご依頼いただくこととなりました。
小さな外壁の割れや隙間でも、その奥に雨漏りや下地腐食が隠れている場合があります。
気になる症状がある場合には、表面だけを補修する前に、なぜその症状が発生したのかを確認することが大切です。
腐食度チェック










外壁を解体しながら腐食範囲を確認|見た目以上に進行していた内部腐食
補強工事を開始する前に、まず腐食している外壁を解体しながら、内部の状態と被害範囲を確認していきました。
今回の現場では、現場調査とお見積もりの段階である程度の腐食範囲を予測し、必要になる補強工事についても想定したうえでご提案しています。
解体は、最初に腐食が確認できた下側から始め、水がどこから入り、どの方向へ回っているのかを確認しながら進めていきます。
バルコニーの内壁と外壁については、調査時点でかなり広い範囲に腐食が発生している可能性が高いと考えていました。
実際に外壁をめくってみると、予想どおりバルコニー周辺の下地には広範囲な腐食が確認されました。
また、柱部分を解体して確認したところ、反対側の柱にも腐食が進行していました。
この部分については当初の想定より状態が悪かったものの、腐食している範囲そのものは、概ね事前に想定していた範囲内でした。
しかし、特にバルコニー部分については、木下地の傷み方や腐食の深さなど、実際の腐食度合いは想像以上に進んでいました。
今回の工事のきっかけとなったのは、サイディングにできた約1cmの隙間です。
一見すると小さな不具合ですが、その部分から詳しく調査したことで、内部の大きな腐食を発見することができました。
もし表面の隙間だけを塞ぎ、内部を確認していなければ、その後も見えない場所で腐食が進行していた可能性があります。
今回のタイミングで発見し、補修・補強工事を行うことができたのは、非常に重要だったと考えています。
解体後の写真を見ると、驚かれる方も多いと思います。
しかし、屋根や外壁のリフォームでは、外から見た状態と内部の状態が大きく異なることは決して珍しくありません。
外観上は大きな異常がないように見えても、実際に外壁を解体してみると、内部の柱や下地が大きく腐食しているケースがあります。
施工前の写真と解体後の写真を見比べていただくと、建物の雨漏りや腐食は、表面に見えている症状だけでは判断できないことがお分かりいただけると思います。
腐食部分の補強工事














腐食した柱と下地を補強|重要部分には角パイプを使用
内部の腐食状況を確認した後、傷んでいる柱や木下地の補強工事を行いました。
通常、このような補強工事では新しい木材を使用して補強することが多いのですが、建物を支える重要な柱などに著しい腐食が発生している場合には、木材だけでは十分な強度を確保できないケースがあります。
今回も、一部の柱はおよそ3分の2程度まで腐食が進んでいる状態でした。
そのため、強度が特に必要となる1箇所については、木材だけでの補強ではなく、角パイプを2本入れて補強を行いました。
その他の部分については、既存の木材の状態を一本ずつ確認しながら作業を進めました。
十分な強度が残っている木材はそのまま活かし、腐食が進んでいる部分については撤去して、新しい木材へ交換していきます。
解体作業中には、一部にシロアリも確認されたため、発見した箇所については殺虫剤による処理も行いました。
雨漏りや漏水によって木材が長期間湿った状態になると、木材の腐食だけでなく、シロアリによる被害が発生しやすくなる場合があります。
そのため、補修工事では傷んだ木材を交換するだけでなく、雨水が入り込んでいる原因そのものを改善し、内部を乾燥した状態に保てる構造へ戻すことが大切です。
なお、シロアリの活動痕が広範囲に見られる場合や、構造部分への被害が疑われる場合には、専門業者による調査や防蟻処理を併せて検討すると、より安心です。
今回の現場では、必要な補強と木材の交換を行った後、外側に透湿防水シートを施工しました。
さらにその上から、金属サイディングを施工するための木下地を取り付け、外壁を仕上げるための準備を整えていきます。
腐食補修では、見えている傷んだ部分だけを直すのではなく、水の侵入原因を改善し、必要な強度を取り戻したうえで防水層まで作り直すことが重要です。
バルコニー床防水工事














バルコニー床の防水をやり替え|下地の腐食まで確認して施工
次に、バルコニー床の防水工事を行いました。
現場調査時に確認したところ、防水層そのものには目立った破れや大きな不具合はありませんでした。
しかし、バルコニーの床を歩くとふわふわとした感触があり、床下地の強度が低下している可能性が考えられました。
また、防水の立ち上がり部分に使われている合板についても、内部の状態に不安があったため、防水工事のやり替えもあわせてご提案しました。
実際にバルコニー内部を解体して確認したところ、予想どおり、防水立ち上がり部分の合板にもかなり腐食が進行していました。
一部は強度がほとんど残っていないような状態だったため、傷んでいる合板を撤去し、新しい合板へ張り替えました。
そのうえで、防水の立ち上がり部分をしっかりと作り直し、今後水が入り込みにくい状態へと整えていきます。
さらに、防水工事の後には新しい金属サイディングを施工するため、防水・下地・外壁を一体的にやり直すことができました。
予算を優先する場合には、防水部分をそのまま活かして施工する方法も考えられました。
しかし、すでに内部の腐食が確認されている以上、長期的な安心を考えると、今回のタイミングで下地と防水をあわせてやり直しておく方が安心です。
表面の防水層に問題がないように見えても、その下の合板や立ち上がり部分が傷んでいる場合があります。
バルコニーの補修では、防水材の表面だけで判断するのではなく、床の沈みや壁際の状態なども含めて確認することが大切です。
金属サイディングを貼り完成
















金属サイディングで仕上げ|笠木ジョイントと通気対策も改善
補強工事とバルコニー防水工事が完了した後、外壁に金属サイディングを施工して仕上げました。
金属サイディングの詳しい施工方法については、過去の施工事例でもご紹介していますので、今回はこの現場で特に重要だった部分をご紹介します。
大きなポイントとなったのが、バルコニー上部に取り付けられているアルミ笠木のジョイント部分です。
既存の笠木にはジョイント部やコーナー部を覆うカバーが取り付けられていましたが、その幅が約2cm程度と非常に細いものでした。
一般的には、これより幅のあるカバーが使用されることが多く、今回の内部状況から見ても、このジョイント周辺から雨水が入り込んでいた可能性が考えられました。
そのため、既存のカバーは再使用せず、より広い範囲を覆えるカバーを板金で製作し、新たに取り付けました。
また、バルコニーの軒天部分には角波板金を施工しました。
外壁との取り合い部分にはオーバーハング水切りを取り付け、内部の通気を確保したうえで金属サイディングを施工しています。
建物内部に雨水が入り込んだ場合、その水分が外へ抜けず、長期間湿った状態が続くと、木下地の腐食を進行させる原因になります。
そのため今回の工事では、単純に傷んだ木材を交換するだけではなく、雨水の侵入を防ぐことと、万が一水分が入った場合でも乾燥しやすい構造にすることを意識して施工しました。
腐食した柱や下地の補強、防水層のやり替え、笠木ジョイントの改善、通気層の確保、そして金属サイディングによる仕上げまで一体的に施工することで、今後の腐食リスクをできる限り抑えています。
最初のご相談は、サイディングにできた約1cmの隙間の補修でした。
しかし、詳しく調査したことで内部の腐食を早い段階で発見することができ、必要な補強と防水工事まで行うことができました。
表面の小さな異変でも、その奥に大きな問題が隠れている場合があります。
今回も、早めに原因を確認できたことが大きかった現場です。
無事に工事が完了し、安心して使用していただける状態に仕上げることができました。








