


金属屋根のジョイント浮きについてのご相談
「屋根のジョイントが浮いているように見えるので、問題がないか確認してほしい」
今回は、このようなメールでのお問い合わせをいただき、屋根の点検に伺いました。
建物は築20数年で、10年ほど前に屋根塗装を行ったとのことでした。既存の屋根材は、当地域では「エバールーフ」と呼んでいる金属屋根です。屋根屋のノブでも、これまで数多く施工してきた屋根材です。
急勾配の屋根だったため、高所作業車を使用して状態を確認しました。ジョイント部分には複数の浮きがあり、1箇所では先端が少しめくれたような状態も見られました。
金属屋根の不具合を判断する際は、表面の見た目に加えて、内部の構造を確認することが重要です。
今回の屋根は、ジョイントの内側に大きな下敷き板金が入る構造です。そのため、表面のジョイントの浮きが、そのまま雨漏りを意味するわけではありません。
修理は可能ですが、こちらの屋根で作業するには足場の設置が必要になります。今回確認できた状態からは、足場を設けて直ちに補修する必要性は低いと判断し、その理由をお客様にお伝えしました。
お客様からも、雨漏りにつながる状態でなければ経過を見たいとのご意向があり、今回は修理を急がず、様子を見ていただくことになりました。



雨仕舞いの確認と、屋根材を裏側から支える役割
点検では、ジョイント以外の部分も確認しました。
特に気になったのは、屋根の端にあるケラバ部分です。独自の納まりになっており、水はけや雨仕舞いの面で注意して見ておきたい箇所でした。
ただし、今回確認できた範囲では、水が回っている様子は見られませんでした。現時点で急いで工事を行う状況ではないと判断し、こちらも経過を見ていただくようご説明しました。
ジョイントが浮いた原因については、過去の作業状況が分からないため断定はできません。施工経験を踏まえると、塗装などの際に踏まれたり、衝撃が加わったりして変形した可能性が考えられます。
また、今後の屋根塗装はおすすめしないこともお伝えしました。ジョイントの変形や雨仕舞いの問題は、塗装によって改善するものではないためです。
今回の点検は、屋根材の裏側にあるバックアップ材の役割を考える機会にもなりました。
「断熱材付き」と紹介される金属屋根でも、屋根材を裏側から支える働きは、断熱性能とは別に考える必要があります。バックアップ材は、人が乗った際のへこみや、接合部分の変形を抑えるうえで意味があります。
裏側に支えがない屋根材は、踏む位置によって変形することがあります。特に、点検や塗装などで人が上がる機会がある屋根では、作業時の歩き方にも注意が必要です。バックアップ材が付いていても、どこを踏んでもよいというわけではありません。
屋根屋のノブでは、工事後の点検や補修のことも考え、屋根材を選ぶ際にバックアップ材の役割を重視しています。
屋根の浮きや変形を見つけた際は、外観だけで修理の必要性を決めず、下敷き板金の構造や周囲の雨仕舞いも確認することが大切です。今回は、その確認結果を踏まえ、工事を急がず経過を見るという判断になりました。
