


今回は、賃貸物件を複数所有されているお客様から、雨漏りについてのご相談をいただき、現場調査に伺いました。
現地では、いつもお世話になっているオーナー様にも同行していただき、雨漏りの状況を詳しく説明していただきました。
雨漏りしているお部屋は空き室だったため、室内から天井裏まで確認しやすい状態でした。
お客様のご希望は、雨漏りしている部分の瓦を一度外し、傷んだ下地を張り替えて、再び瓦を戻すという部分修理で対応できないかという内容でした。
しかし、天井裏を確認したところ、防水紙が一般的なアスファルトルーフィングではなく、外壁のモルタル下地などに使用されるフェルト系の薄い防水紙であることが分かりました。
また、雨漏りは一箇所だけではなく、複数の場所から発生している様子が確認できました。
特に傷みが大きかったのは、下り棟まわりです。
棟部分からの雨水の侵入が疑われる箇所があり、平場部分にも腐食が始まっている場所がいくつか見られました。
雨漏りというと、室内に水が落ちている場所だけを直せばよいと思われがちです。
しかし、古い瓦屋根の場合、実際には屋根全体で防水性能が落ちていることがあります。
今回も、室内に出ている雨漏りの位置だけではなく、屋根全体の劣化状況を確認する必要がある状態でした。



屋根に上がって確認すると、瓦は想像以上に大きくズレていました。
長年の地震や建物の揺れなどの影響もあると思われますが、ここまで瓦がズレてしまうと、簡単に元の状態へ戻すことはできません。
また、屋根裏から見た瓦の納まりにも、あまり丁寧とは言えない部分がありました。
瓦そのものも、表面の釉薬が所々剥がれている状態でした。
ただし、釉薬の剥がれ自体が、すぐに雨漏りの直接原因になるわけではありません。
今回、特に問題だと感じたのは、瓦を支えている瓦桟の状態です。
瓦をめくって確認すると、瓦桟が非常に小さく、瓦が細い木に引っかかっているだけのような状態でした。
このような状態では、部分的に瓦を外して下地を直しても、屋根全体としての安心感は得にくくなります。
防水紙の劣化、複数箇所からの雨漏り、棟まわりの傷み、瓦のズレ、瓦桟の弱さを考えると、今回の屋根は部分修理で長く安心できる状態に戻すのは難しいと判断しました。
そのため、お客様には、5年、10年先を考えた場合、部分修理を繰り返すよりも、瓦を下ろして軽い屋根材へ葺き替えた方が、結果的に費用を抑えられる可能性が高いことをお伝えしました。
今回は、軽い屋根材への葺き替え工事として、お見積もりを作成することになりました。
富士宮市、富士市周辺でも、古い瓦屋根の雨漏り相談は少なくありません。
雨漏りしている一箇所だけを見るのではなく、防水紙、瓦桟、棟まわり、瓦のズレなど、屋根全体の状態を確認したうえで、部分修理でよいのか、葺き替えが必要なのかを判断することが大切です。
