「漆喰がボロボロ落ちてくるから直してほしい」とのご相談
こんにちは。現場管理桑畑です。
牧之原市にお住まいのG様から、屋根漆喰の補修依頼がありました。
別業者のシーリング処理が適切ではなかったため通常の漆喰補修を断念することに。
別の工法をご提案しました。
【施工前】漆喰の劣化と熨斗瓦のシーリング固定




現地で屋根を確認させていただいた際、5枚重なっている熨斗瓦がズレたままシーリングで固定されていました。シーリングは接着剤代わりになりますが、劣化すると逆に水を引き寄せて雨漏りリスクが高まってしまいます。
当初のG様のご要望は「シーリングをはがして熨斗瓦のズレを直したい」とのことでしたが、シーリングをはがすと棟が崩れる恐れがありました。
そこで、通常の漆喰補修ではなく乾式工法での補修をご提案。こちらは漆喰を使用しないので屋根を軽量化でき、耐久性もバッチリです。
G様も「屋根が軽くなるならその工法でも良いです」とご快諾いただけたので、早速工事にとりかかりました。
棟瓦を全て撤去して、芯材と防水シートを設置


まずは既存の熨斗(のし)瓦を撤去しました。
昔ながらの工法で作られた棟ですので、廃棄する瓦と土が大量に出ます。G様もびっくりしておられました。
(瓦の趣ある風情も素敵ですが、地震のことを考えると軽量化したほうがより安心安全です。)


芯材を金具で固定


棟まわりを清掃してはがしていた瓦を元に戻しました。
その後、水平になっているかを確認しつつ棟金具を等間隔でならべてビスで固定。
その上に芯材を設置して、棟の土台をつくります。
瓦の固定方法には下記の2種類があり、乾式のほうが軽量化できます。
湿式工法…漆喰を使用して瓦を固定する(重い)
乾式工法…金具や木材で固定する(軽い)
乾式面土シートのハイロールを被せる


黒い部分が乾式面戸シートのハイロールです。ゴムのように弾力のある「エストラマー」という素材と、「アルミニウム」でつくられています。
垂木にピタッと密着するので雨水の浸入を防ぐことができます。
ハイロールのメリット
- 軽量素材で耐震性アップ
- 強力な接着力で防水性が高い
- 施工が早くメンテナンス性も良い
- 約30年の耐久性で長持ち
※棟1mあたり、漆喰は10kg、面戸シートは600gという違いがあります。
7寸丸瓦をかぶせてビスで固定


最後に、半円状の7寸丸瓦(ななすんまるがわら)を棟にかぶせて、ビスで固定したら完了です!
7寸丸瓦のメリット
- 瓦を重ねないので軽量
- パーツが少なく施工時間が短縮できる
ちなみに、固定するビスにはパッキンがついており、隙間からの雨水の浸入を防げるようになっています。
【施工後】無事に棟瓦の取り付けが完了、軽量化もできました!




熨斗瓦や漆喰がなくなったので、すっきりした棟になりましたね!
ハイロールは30年の耐久性があるので、今後しばらくはメンテナンスフリーとなります。G様も「長持ちする工法を提案してもらえてよかったです」と喜んでくださいました。
もちろん、不具合や気になる点がありましたらいつでも屋根リフォーム相談窓口までご相談ください!
屋根の軽量化は地震対策にもなります!


昔ながらの土葺き瓦屋根は、地震の時に倒壊しやすいというデメリットがあります。
※現在の新築や葺き替えでは、瓦を一枚ずつ固定する工法でなければ施工できません。
屋根を軽量化して耐震性を高めたい場合は
- 棟を乾式工法で施工
- 軽量瓦・防災瓦に葺き替える
- 軽量・金属屋根材に葺き替える
などの方法がございます。お客様のご予算やご要望に合わせて提案させていただきますので、お気軽にご相談ください!
↓↓陶器瓦を軽量屋根材に葺き替えた事例はこちら!


最後までご覧いただきありがとうございました!
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