谷樋(たにどい)から雨漏りが!原因・修理方法・費用相場・施工事例を徹底解説!

谷樋(たにどい)から雨漏りが!原因・修理方法・費用相場・施工事例を徹底解説!

谷樋(たにどい)、または谷板金は屋根の谷部分に設置される金属製の排水路で、雨水や雪解け水を効率的に排出する役割を担っています。
谷樋は雨漏りの原因として非常に多く、屋根リフォーム相談窓口ではほとんどの場合、雨漏り調査の際にはまず谷樋を確認します。

この記事では谷樋から雨漏りが起こる原因や修理方法、施工方法ごとの費用相場、施工事例などを詳しく紹介します。
雨漏りでお困りの方、谷樋のメンテナンスをお考え中の方はぜひ最後までご覧ください。

目次

谷樋(たにどい)ってどこ?その役割や素材ごとの違い

谷樋は屋根の面と面が交差する谷状の部分に設置される金属製または樹脂製の建材です。
屋根に降った雨水や雪解け水を集め、効率的に排水するために設計されています。
そうすることで屋根の下にある外壁などの部材を守る、防水の役割を担っています。

谷樋が設置されていなければ、谷部分に溜まった雨水が屋根材の隙間から浸入し、建物内部に水漏れや腐食を引き起こす可能性があります。
特に日本のような多雨地域では谷樋の適切な設置とメンテナンスが不可欠です。

谷樋が設置されている屋根の形状

谷樋は屋根の形状によって設置の有無が決まり、切妻屋根や片流れ屋根には通常存在しません。
主に以下のような屋根形状で谷樋が設置されています。

複合屋根:複数の屋根面が交差する形状(例:L字型やT字型の屋根)。

谷樋(たにどい)から雨漏りが!原因・修理方法・費用相場・施工事例を徹底解説! 入母屋屋根

棟屋根や入母屋屋根:谷部分が形成される屋根形状。

谷樋の素材

谷樋に使用される主な素材は以下の通りです。

銅板:和風建築でよく使われ、耐久性が高いが、酸性雨や経年劣化により約20~30年で穴が開くことも。
トタン:安価だがサビやすく、耐用年数は約10~15年と短め。
ステンレス:サビに強く、寿命は約20~30年と耐久性が高い。
ガルバリウム鋼板:近年主流になっており、耐腐食性が高く、耐用年数は約20~40年と長い。

谷樋の素材は環境やメンテナンス頻度によって寿命が異なります。
特に、酸性雨やゴミの堆積、積雪が多い地域では劣化スピードが早い傾向にあります。

谷樋から雨漏りが発生する主な原因

谷樋は構造上、雨水や雪が集中するため、雨漏りが起こりやすい場所です。
ここでは雨漏りの代表的な原因を詳しく解説します。

経年劣化によるサビや穴

谷樋 雨漏りの原因 サビ

谷樋は雨水を流す役割を持つため、常に水分にさらされます。
長期間水分を保持した状態が続くと、金属表面の酸化が進行し、サビが発生しやすくなります。
特に、排水が不十分で水が溜まる場合は腐食が加速します。

サビは部材を腐食させ、やがて穴が空き、雨漏りに繋がります。

オーバーフロー

谷樋 雨漏りの原因 オーバーフロー

谷樋の排水能力を超える大量の雨水や雪解け水が流れると、オーバーフローが発生し、屋根材と谷樋の隙間から水が浸入します。

ゲリラ豪雨や台風などで大量の雨が降って谷樋が容量を超えた場合や、ゴミ・落ち葉などが詰まって排水路が塞がれる場合があります。

施工不良

谷樋 雨漏りの原因 施工不良

谷樋の下には防水シートという雨水の浸入を防ぐシートが敷いてありますが、この施工不良によって雨漏りが起こることも少なくありません。
防水シートが不適切に設置されている場合や、そもそも貼り忘れている場合もあります。

他にも谷樋と屋根材の接続部分に隙間があるケース通気性を確保せず、シーリングで全て埋めてしまう誤った施工も見られます。

勾配不足

谷樋の勾配(傾き)が不十分だと雨水がスムーズに流れず、溜まった水が屋根材の下に浸入します。
途中で雨水が留まると降雨の度に水たまりができるため、谷樋の変形やオーバーフロー、サビの発生にも繋がります。

飛来物などの外部要因による損傷

谷樋 雨漏りの原因 板金

台風や強風によってぶつかってきた飛来物や鳥のついばみなどにより、谷樋に傷や変形が生じることもあります。

これにより、雨水が意図しない方向に流れて雨漏りに繋がります。

原因の調査はプロに依頼しましょう!
ここでは雨漏りとなる主な原因を紹介しましたが、あくまで基礎知識として留め、起こっている症状がどれに当てはまるかは屋根修理業者に調査を依頼しましょう。
ご自身で調べようと屋根に登ると、落下事故に繋がる恐れがあります。
調査・見積りは無料で行っている業者が多いので、無理せずご相談されることをおすすめします。

谷樋の雨漏り修理方法と費用相場

谷樋の雨漏りを根本的に解決するには、専門業者による適切な修理が必要です。
以下に、一般的な修理方法を紹介します。

谷樋の部分交換

谷樋に穴やサビが発生した場合、損傷部分を含む谷樋全体を交換します。
瓦屋根の場合は周辺の瓦を一時的に外し、谷樋を交換した後、元に戻す作業が行います。

費用相場:約5~20万円
所要時間:半日~1日
メリット:比較的短時間で修理が完了し、費用を抑えられる。
デメリット:部分的な交換では将来的に他の部分が劣化する可能性がある。

谷樋の嵩上げ(かさあげ)

勾配不足が雨漏りの原因となっている場合、谷樋を嵩上げして水はけを改善します。
この方法は高度な技術を要するため、経験豊富な職人に依頼する必要があります。

費用相場:約10~20万円
所要時間:1~2日
メリット:排水性能が向上し、再発リスクが低い。
デメリット:技術的な難易度が高く、費用がやや高め。

防水シートの交換

谷樋の下にある防水シート(ルーフィング)に問題がある場合、防水シートを新しいものに交換します。
これにより、谷樋からの浸水を防ぎます。

費用相場:約10万円~50万円
所要時間:1~3日
メリット:屋根全体の防水性能が向上する。
デメリット:屋根材を一部外す必要があり、作業規模が大きくなる傾向にある。

 屋根全体の葺き替え・カバー工法

谷樋の劣化が広範囲に及び、屋根全体が傷んでいる場合は、葺き替え(既存の屋根材を撤去して新しくする)やカバー工法(既存の屋根材の上に新しい屋根材を重ねる)が選択されることもあります。

費用相場:約80万円~300万円
所要時間:5~14日
メリット:屋根全体の耐久性が向上し、長期的な雨漏り防止が可能。
デメリット:費用が高額で、最も大がかりな屋根工事。

谷樋の修理は火災保険を活用できることも!
工事費用は数万円~数百万円かかるケースがありますが、雨漏りの原因が台風や豪雪などの自然災害による場合は火災保険が適用される可能性があります。
保険申請には雨漏りの写真や業者の見積書が必要となりますので、業者に保険を活用したい場合は業者にその旨を伝えましょう。
保険適用により、修理費用が最大0円、あるいは大幅に減額されるケースもあります。

屋根リフォーム相談窓口が行った、谷樋工事の施工例

私たち、屋根リフォーム相談窓口は谷樋工事の施工も多数行っています。
ここでは実際に行った施工内容を具体的に紹介します。

静岡県富士宮市・雨漏りによる谷樋取り替え工事

こちらのお住まいには瓦屋根で銅板の谷樋が2本あり、どちらからも雨漏りがしていました。
お客様ご自身で防水テープを貼って応急処置をされていましたが、テープだけでは対処しきれず、多くの雨水が浸入していました。

谷樋を取り替えるために、まずは周りの瓦を一時撤去しました。
谷樋を交換し終えた後に瓦は戻すため、割れたり傷つけたりしないように丁寧に取り外して保管しています。

ルーフィングに改質アスファルトルーフィングのPカラーEX+(田島ルーフィング)を谷樋を設置する部分張りました。
これで谷樋から雨水が漏れても、しばらく雨漏りからお住まいを守ってくれます。

新しい谷樋にはカラーステンレス製のものを使用しました。
耐久性が高く、瓦ともよく調和しています。
瓦を戻し、雨漏りが完全に止まったことを確認して撤収しました。

\詳しい施工事例はこちら/

静岡県焼津市・谷樋から雨漏りしているトタン屋根に、ガルバリウム鋼板で屋根カバー工法

既存の屋根材はトタンの桟葺き屋根で、サビによって谷樋が腐食して大きな裂け目ができていました。
谷樋だけでなく、全体的にサビが進行していたため、既存の屋根の上に新しい屋根を葺く『屋根カバー工法』を提案させていただきました。
屋根カバー工法なら既存の屋根を撤去しない分、工事費用を抑えることができます。

ベランダや温水器が設置してあり、カバー工法を行うには撤去をする必要がありました。
お客様から「使用していないので、処分してほしい」とのことでしたので処分しています。

雨漏りのによって屋根の状態が悪く、カバー工法をしても固定力が低かったため、既存屋根の上に下地となるラーチ合板を張りました。
その上にルーフィングを張り、新しい屋根材を葺いて完成です。

新しい屋根材はサビに強く軽量なガルバリウム鋼板が採用されました。
シンプルでスタイリッシュな見た目に、お客様も満足されているご様子でした。


施工前は大きな裂け目ができていた場所も・・・

しっかりとした谷樋を作り、雨水もスムーズに排水するよう施工しました。

\詳しい施工事例はこちら/

谷樋や雨漏りのことなら、屋根リフォーム相談窓口へご相談を!

谷樋は屋根の排水を担う重要な部材ですが、雨漏りの原因として多い箇所の一つです。
経年劣化、オーバーフロー、施工不良などが主な原因で、被害を拡大させないためには早めの修理が重要です。
費用相場は5万円程度で済む場合から、数百万円かかるケースもありますが、火災保険を活用することで費用を抑えられる可能性もあります。

また、同じお住まいの調査でも業者によって「防水シートの交換が必要」「屋根全体の葺き替えが必要」と、意見が分かれる場合があります。
更に、同じお住まいで同じ工事内容が提案されても、業者によって費用が異なる場合も。
雨漏り修理は2社以上に相談をして見積もり比較検討されることをおすすめします。

私たち、屋根リフォーム相談窓口は屋根リフォームのセカンドオピニオンとして施工内容や見積もり金額が適正かどうか、プロの目線からアドバイスを行っています。
大切なお住まいのリフォームで後悔することのないよう、ご活用いただければ幸いです。

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この記事を書いた人

屋根リフォーム相談窓口のホームページをご覧いただき、ありがとうございます!
静岡県と八王子を拠点とした屋根工事の専門店5社で構成される当団体は、正しいリフォームを適正価格でご提供するために、工事の施工はもちろん、各工事のセカンドオピニオン、相談窓口として、地域貢献を目的に設立されました。
加盟店は、毎月、屋根工事に関する勉強会を行い、高品質で適正価格の屋根リフォームをご提供している地域密着の施工店ばかりです。
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