屋根工事やリフォームの際には新しい屋根の素材や製品をご選択いただきます。
いくつか業者から屋根材を提案されますが、その選択によって成功することも後悔してしまうこともあります。
一度選ぶと数十年葺き替えることはないので、できるだけ慎重に選びたいものです。
今回は数々の屋根材を見てきた屋根リフォームのプロがおすすめする高性能ガルバリウム鋼板『シルキーG2』について紹介します。
屋根カバー工法や葺き替え工事などのリフォームや屋根からの雨漏り補修を予定されている方は、ぜひご参考になさってください。
シルキーG2とは?基本情報と7つの特徴

シルキーG2は福泉工業株式会社が開発・製造している断熱材一体型のガルバリウム鋼板屋根材です。
従来の「MFシルキー」から2021年春にリニューアルされ、現代の住宅ニーズに合わせた高機能屋根材として進化しました。
では、具体的にどのような特長があるのかを見てみましょう。
①日本瓦の1/10の軽さ
シルキーG2は日本瓦の約1/10の重量(約5kg/㎡)しかありません。
この軽量性は、建物への負担を軽減し、特に地震が多い日本において安全性を高めます。
既存の屋根材の上に重ねるカバー工法にも最適で、撤去費用を抑えながらリフォームが可能です。
屋根カバー工法についてはこちら
②優れた断熱性
シルキーG2の裏面にはウレタンフォームとアルミライナー紙が施されており、空気層を形成することで高い断熱効果を発揮します。
これにより夏の暑さや冬の寒さを軽減し、室内の快適性を向上させます。
③防音効果で雨音を抑える
上記で紹介したように、シルキーG2には空気層が形成されています。
空気層によって防音効果にも期待できるため、静かな住環境を実現してくれるでしょう。
④高い耐久性
シルキーG2はガルバリウム鋼板を基材とし、遮熱ちぢみ塗料が塗装されていることで耐磨耗性や耐久性に優れています。
遮熱ちぢみ塗料とは車のエンジンカバーなどの高熱になる部分に使われている塗料です。
⑤長期間メンテナンスが不要
シルキーG2は耐久性や耐候性に優れていることから、メーカーも自信を持って長期の保証期間を設けています。
塗膜15年、赤錆20年、穴あき25年の保証が付いており、長期にわたりメンテナンスの手間を軽減します。
⑥美しいデザイン

シルキーG2はシンプルかつモダンなデザインで、さまざまな住宅スタイルにマッチします。
カラー展開も豊富で、例えば「ギングロ」や「ブラック」など、住宅の外観を引き立てる選択肢が揃っています。
⑦施工の迅速性
シルキーG2は軽量で扱いやすく、施工時間が短縮できるため、工期を短く抑えたい場合にも適しています。
屋根カバー工法では既存屋根の撤去が不要なため、さらに迅速な施工が可能です。
シルキーG2の費用相場と総額例
魅力の多いシルキーG2ですが、心配なのは工事にかかる費用ですよね。
屋根工事の費用は使用する商品の他、屋根の面積や形状、施工地域、追加の補修作業によって異なります。
そのため、ここで紹介する費用は、あくまで参考程度になさってください。
施工方法が屋根カバー工法の場合
屋根工事の費用を抑えたい場合や、既存屋根がスレートや金属屋根の場合はカバー工法がおすすめです。
屋根全体の重量は若干増しますが、工期が短く、断熱性や防音性にも期待できます。

費用相場:約6,000~10,000円/㎡
80㎡の切妻屋根の場合の総額例
・屋根材料費:約48万円~60万円
・作業費、雑費:約20万円~30万円
・総額:約68万円~90万円
施工方法が葺き替え工事の場合
重量のある瓦屋根や劣化状態が著しい場合、屋根の形状によってカバー工法ができない場合があります。
カバー工法に比べて費用は高くなりますが、葺き替え工事だと下地からやり替えることができ、耐震性も向上させることができます。

費用相場:約8,000~15,000円/㎡
80㎡の切妻屋根の場合の総額例
・屋根材撤去費用:約15万円~25万円
・屋根材料費:約48万円~60万円
・作業費、雑費:約25万円~35万円
・総額:約88万円~120万円
安すぎる見積もりにはご注意を!
相場よりも極端に安い場合や数十万円もの値下げにはご注意ください。
使用するルーフィング(防水シート)などの質が悪く再施工が必要になったり、足場が簡易的なもので思わぬトラブルに発展するリスクが高くなります。
屋根リフォーム相談窓口の施工例
私たち、屋根リフォーム相談窓口では屋根葺き替え工事・屋根カバー工法にてシルキーG2の施工事例が多数ございます。
ここでは実際に行った工事の内容を具体的に紹介します。
静岡県駿東郡長泉町|雨漏りしているスレート屋根をシルキーG2で屋根カバー工法


「数年前から雨漏りしていたことには気づいていたが、悪化してきたので自分でコーキングや塗装をしていた。改善せずに困っている。」とのご相談です。
現場調査で屋根裏を拝見したところ、化粧スレートを留めている釘から雨漏りが起こっていました。
雨漏り箇所も1箇所ではなく、屋根の下地である野地板や天井裏に多数の雨染みが見つかっています。
築年数も古いことから、屋根カバー工法で全面的に改修することとなりました。
既存屋根にルーフィングを張り、シルキーG2を葺きました

既存の棟を撤去し、軒先水切りとケラバ板金を取り付けます。
軒先からルーフィング(防水シート)を張り、屋根本体のシルキーG2を葺きました。
基本的には屋根全体にルーフィングを張り終えてから屋根本体を葺くのですが、今回は風が強かったのでルーフィングが飛ばないようにほぼ同時進行で本体も葺いていきました。
そのため、写真では赤いスレート屋根とルーフィング、新しい屋根であるシルキーG2がそれぞれ写っています。
シルキーG2のブラックで落ち着きのある仕上がりに!

本体を葺いたら止水材の上に棟下地を重ねてビスで留め、最後に棟包みの板金を被せて完成です。
シルキーG2のカラーはブラックが選ばれ、シックで落ち着いた仕上がりになりました。
長年困っていたという雨漏りも解消され、お客様に大変お喜びいただくことができました。
\詳しい施工事例はこちら/

静岡県富士市|耐震性向上のため、瓦屋根からシルキーG2へ葺き替え


築年数が経っていることから屋根本体の寿命が過ぎ、これを機に耐震性の高い屋根への葺き替えをご希望でした。
いくつか軽量の屋根を提案した中から、機能性の高いシルキーG2をご希望くださいました。
既存瓦撤去~役物取り付け

既存瓦をバラし、下へ降ろして専用の廃棄場に運んで処分しています。
屋根には新たに合板を施工しました。
カバー工法と違って葺き替え工事は耐震性を向上させられるだけでなく、下地から新しくすることができ、屋根の劣化状態をリセットできるのもメリットです。
合板の状態で雨が降っては大変なので、ルーフィング張りまで一気に進めていきました。
ルーフィング施工後、役物と呼ばれる軒先水切りとケラバ板金を取り付けています。
シルキーG2本体施工

ルーフィングの上にシルキーG2を施工して完成です。
今回は瓦の葺き替えであることと、こちらのお宅の敷地内が土ということもあり、表面が汚れていますが、一度雨が降ればキレイになるので問題ありません。
瓦屋根からシルキーG2にしたことで1/10もの軽さになったため、地震の際にも揺れが小さくなりました。
地震や台風に、今までよりも強いお住まいになりましたので万が一の際にも安心です。
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静岡県三島市|割れや欠けの目立つ屋根からシルキーG2へ屋根カバー工法


既存屋根はノンアスベストスレート屋根で、割れや欠けが数箇所見られました。
ノンアスベストスレート屋根とは1990年代半ば〜2000年代半ばに製造されたアスベストが含まれていない屋根材で「ノンアス」とも呼ばれています。
この頃に製造された屋根材の多くは割れや欠けなどの不具合が現れています。
雨漏りの危険性があるため、新しい屋根を上から重ねるカバー工法を提案させていただきました。
棟の撤去~ルーフィング張り

屋根カバー工法は既存の屋根に新しい屋根を葺きますが、棟包みなどの役物は撤去しないと葺くことができません。
棟包を外し、更に棟下地の貫板を撤去したところ、既存の貫板が黒くなって傷んでいました。
大きなトラブルになる前に施工できて何よりです。
軒先からルーフィングを張っていきました。
耐久性が高い田島ルーフィングのPカラーEX+という改質アスファルトルーフィングを張りました。
役物板金~シルキーG2施工

軒先水切りや谷など役物を取り付け、軒先からシルキーG2本体をビス留めをしながら上へと葺いていきました。
こうすることで留めたビスも上の屋根材が重なるので雨水が入りにくく、見た目もスッキリします。
樹脂製の貫板施工~棟施工

棟の下地である貫板(ぬきいた)は樹脂製のものを使用しました。
既存の木製の貫板よりも耐久性が高く、腐食に強いので丈夫にお住まいを守ります。
その上に棟板金を施工して屋根カバー工法は完了です。
お施主様がご希望されていたグリーンのシルキーG2は緑の多い環境に溶け込んでいます。
クリーム色の外壁ともマッチしてモダンなデザインに仕上がりました。
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屋根のことなら、屋根リフォーム相談窓口へご相談を!

シルキーG2は、軽量性、断熱性、耐久性、美観を兼ね備えた高性能屋根材です。
屋根カバー工法や葺き替え工事に最適で、地震対策や省エネ効果も期待できます。
工事費用はカバー工法で約68万~90万円、葺き替えで約88万~120万円が相場ですが、複数社の見積もりや補助金活用でコストを抑えることが可能です。
屋根リフォームを成功させるにはシルキーG2の特性を理解し、信頼できる業者を選ぶことが重要です。
私たち、屋根リフォーム相談窓口は屋根のことを熟知したプロフェッショナル集団です。
「うちに合う屋根を教えてほしい」「できるだけ安く耐久性を高めたい」「そもそも工事が必要か見てほしい」など、何でもお気軽にご相談ください。
お客様のご予算・ご希望内容を最優先に、屋根の状態に合わせたベストなプランを提案いたします。