屋根や外壁は素材や劣化状態などにより、必要なメンテナンスが異なります。
状態をしっかり調べ、ベストな工事内容を選択することでお住まいの寿命が延び、資産価値を維持することができます。
しかし、中には「塗装の必要がない屋根に塗装をする」ような業者も存在します。
そこで今回は屋根材・外壁材別に必要なメンテナンス方法、ベストなプランを提案してくれる業者探しの方法を紹介します。
「そろそろ屋根が傷んできた」「外壁の汚れが目立ってきた」という方は、ぜひ最後までご覧ください!
屋根材別!必要なメンテナンス方法とは
あなたのお住まいの屋根材は金属屋根ですか?スレート屋根、瓦屋根でしょうか。
お住まいによって使われている屋根材はそれぞれで、メンテナンス方法も異なります。
まずは、日本でよく使われている屋根材別にメンテナンス方法を紹介します。
スレート屋根(カラーベスト、コロニアル)
現在、日本で最も普及率の高い屋根材がスレート屋根で、カラーベストやコロニアルとも呼ばれています。
色褪せや汚れが気になってきたら、屋根塗装をすることで美しく保護することができます。
ひび割れや頂上にある棟板金の釘の浮きが見られる場合は早めに補修をしましょう。
放置し続けるとスレート屋根に張ってある防水シートが傷み、雨漏りに繋がる恐れがあります。
金属屋根(トタン、ガルバリウム鋼板など)
トタン屋根やガルバリウム鋼板屋根は塗装でサビが発生しないよう守られています。
ガルバリウム鋼板は錆びにくい素材ですが、全く錆びないというわけではありません。
サビ止めの効果は10年前後で失うので、定期的に塗り替えて保護をしましょう。
頂上に被せてある棟板金も釘が徐々に抜けてくるので釘の打ち直しが必要です。
また、傷が付いたり穴が空くと、そこから雨水が侵入する恐れがあります。雨漏りの被害を最小限に食い止められるよう、補修材などでできるだけ早めに補修をしましょう。
セメント瓦・モニエル瓦
セメント瓦・モニエル瓦は瓦自体に防水性がないため、定期的な塗装メンナンスが必要です。
また、一番頂上に葺いてある棟瓦には漆喰が詰められています。漆喰は年月が経つにつれて徐々に剥がれ落ちてきます。漆喰が剥がれると雨水が入り込んだり、瓦がズレて大掛かりな工事が必要になるリスクが高くなります。そのため、漆喰が傷んできたら撤去し、詰め替える工事が必要です。
経年劣化や飛来物に当たるなどでひび割れを起こす場合もあります。瓦の割れによって隙間ができると雨漏りが発生するので部分交換などで対処をしましょう。
粘土瓦
粘土瓦は耐久性の非常に高い屋根材で塗装工事の必要はありません。
頂上の棟瓦の周りには漆喰が詰められており、これが劣化して剥がれ落ちると雨漏りや瓦のズレに繋がるので定期的に詰め替えましょう。
瓦がズレた場合は瓦を一旦撤去し、瓦を積み直す工事が必要です。
また、粘土瓦は割れにくい素材ですが、強い衝撃が加わると割れることがあります。そのままにすると隙間から雨水が入り込む恐れがあるため、部分的に葺き替えるなどして対処をしましょう。
屋根材ごとの寿命とリフォーム方法
どんなに丈夫な屋根材であっても、いずれは寿命を迎えます。
寿命を迎えた場合、損傷が激しい場合は、いつ不具合が起こってもおかしくありません。
ここでは屋根材別の寿命の目安とリフォーム方法について解説します。
屋根材ごとの耐用年数一覧
使われている屋根材によって寿命の年数が異なります。
以下に、屋根材ごとの耐用年数の目安をまとめました。
屋根材 | 耐用年数の目安 |
スレート屋根 | 約20~30年 |
トタン | 約10~20年 |
ガルバリウム鋼板 | 約30~40年 |
セメント瓦 | 約30~40年 |
モニエル瓦 | 約20~30年 |
粘土瓦 | 約50~100年 |
上記はあくまで目安です。年数に関わらず、劣化が進行している場合はリフォームをご検討ください。
反対に、劣化症状が見られない場合でも不具合が発生している場合があります。
定期的に屋根修理業者に屋根の状態を見てもらい、リフォームが必要か見てもらうと安心です。
屋根材が寿命を迎えた場合に行う2つのリフォーム方法とは
屋根材が寿命を迎えた場合は新しい屋根に葺く工事が必要になります。
新しい屋根を葺く方法は以下の2通りのパターンがあります。
①葺き替え工事
葺き替え工事は今ある屋根を撤去し、新しい屋根材を葺く工事です。
既存の屋根材・新しい屋根材は何であっても可能です。
重たい瓦屋根から軽量の屋根材へ変えて耐震性を向上させることもできます。
屋根を下地から丸ごと新しくできるため、雨漏りが起こっている場合も効果的です。
ただし、費用は高額になるので見積もりと予算をしっかり確認しましょう。
②カバー工法(重ね葺き工事)
カバー工法は重ね葺き工事とも言い、既存の屋根材の上から新しい屋根材を葺く工事です。
屋根材が二重になるため、耐震性は若干ですが低下します。
そのため、既存屋根・新しく葺く屋根はどちらも軽量でなければなりません。
スレート屋根や金属屋根で施工が可能で、重たい瓦屋根は施工できません。
また、既存の屋根材の劣化状態が著しい場合も不向きで、葺き替え工事の方が良い場合があ
ります。
既存の屋根を撤去しない分、撤去・処分費用を節約できる工法です。
外壁材別!必要なメンテナンス方法とは
続いて、外壁材別に必要なメンテナンス方法を紹介します。
あなたのお住まいの外壁材に、どのような工事が必要なのか確認してみてください。
モルタル外壁
モルタル外壁はセメント・砂・水を混ぜた材料で作られた外壁材です。
耐久性や耐火性に強い外壁材ですが、ひび割れやすく、凸凹していることから汚れが残りやすいというデメリットがあります。
ひび割れを放置し続けると、雨漏りに繋がったり、中の鉄筋がサビてモルタル外壁が外側へ押し出され、ボロッと剥がれ落ちてしまうこともあります。
大きなひび割れはできるだけ早めに補修をしましょう。
また、外壁塗装をすることで外壁を美しくし、さらに汚れにくく、ひび割れに強くすることも可能です。
窯業系サイディング
窯業系(ようぎょうけい)サイディングは日本で使われる外壁材の8割を占めています。
セメントと繊維質を混ぜ、高温高圧の窯で固めた外壁材です。
汚れやカビ、コケが気になったら外壁塗装をすることで美しい外壁に蘇らせることができます。
外壁材自体が反っている場合、破損している場合は補修や部分張り替えが必要です。
また、サイディングボードの継ぎ目にはシーリングが埋められており、劣化すると隙間ができます。
放置すると雨水が入り込む恐れがあるため、定期的にシーリング工事を行いましょう。
ガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板はメンテナンスフリーとも言われていますが、実際には全くメンテナンスが不要というわけではありません。
メッキ加工はされていますが金属でできているのでサビは発生します。
外壁塗装をすることでサビの発生を抑え、見た目も美しくすることができます。
また、外壁材の継ぎ目やサッシ回りに施されているシーリングも劣化します。肉痩せやひび割れ、剥がれが起こると雨漏りを起こします。
そのため、定期的にシーリング工事をする必要があります。
タイル外壁
タイル外壁は耐久性が高いことからメンテナンスが不要と思われている方が多いです。
しかし、モルタルの目地や下地、シーリングは劣化します。
放置し続ければ雨漏りやタイルの剥がれが起こる恐れがあります。
そのため、モルタルやシーリングは定期的にメンテナンスが必要です。
また、タイルに浮きや剥がれ、割れが起こることもあります。
問題が起こっているタイルを剥がし、固定し直すか交換が必要です。
タイル自体に塗装の必要はありませんが、艶を出したい場合や目地に防水性を持たせるために効果的です。
ALC外壁
ALC外壁は水を吸水しやすい性質のため、外壁の表面には塗装が施されています。
塗装の防水性は年月が経つにつれて低下していくため、定期的に塗装をする必要があります。
また、ALCパネルの継ぎ目に施されているシーリングが劣化すると隙間ができ、放置し続けると雨水が侵入する恐れがあります。
そのため、シーリングの工事も必要です。
外壁材ごとの寿命とリフォーム方法
毎日、紫外線や雨風の外的ダメージを受けている外壁はやがて寿命を迎えます。
外壁材によって耐用年数や、できるリフォーム方法が異なります。
屋根材ごとの耐用年数一覧
使われている外壁材によって、寿命の年数が異なります。
以下に、外壁材ごとの耐用年数の目安をまとめました。
外壁材 | 耐用年数の目安 |
モルタル外壁 | 約20~30年 |
窯業系サイディング | 約20~30年 |
ガルバリウム鋼板 | 約25~40年 |
タイル外壁 | 約30~40年 |
ALC外壁 | 約60年以上 |
上記はあくまで目安の年数ですので、参考程度になさってください。
例えば、窯業系サイディングでも施工状況やメンテナンスの頻度、お住まいの環境などで20年も持たない場合もあります。
外壁材が寿命を迎えた場合に行う2つのリフォーム方法とは
外壁材が寿命を迎えた場合は新しい外壁を張る工事が必要です。
その工法は大きく分けて以下の2つに分かれます。
①張り替え工事
もともとの外壁材を撤去し、新しい外壁材を張る工法です。
下地から新しくすることができるため、外壁の劣化状態をリセットできます。
既存の外壁・新しく張る外壁はどれでも可能なので、たくさんのバリエーションの中から選択することができます。
ただ、既存の外壁材の撤去・処分費用がかかるので費用は高くなります。
②カバー工法(重ね張り工事)
既存の外壁材をそのまま残し、上から新しい外壁材を張る工法です。
築年数が経ったお住まいでも新しい外壁材を上から張れば見た目は美しく、耐久性も向上させることができます。
もともとの外壁材の撤去・処分にかかるコストがかからないというメリットがあります。
ただ、既存の外壁材の劣化が著しい場合は施工できないケースもあります。
新しく張る外壁材はガルバリウム鋼板などの金属製の外壁材やプラスチックの一種である「塩化ビニル樹脂」を使った樹脂サイディングを用いるのが一般的です。
最適なリフォーム方法を探すために、複数の業者に調査依頼を!
屋根材や外壁材の種類やメンテナンス方法について紹介してきましたが、素材だけでなく劣化状態、原因、環境などによってベストと言える工事内容は複数あります。
例えば、「サイディング外壁の一部が反っている」という状況でも補修で済む場合もありますし、全ての外壁材の張り替えの方が適している場合もあります。
お住まいにとってベストな施工方法は屋根リフォームや外壁リフォームを行っている業者に調査をしてもらいましょう。
ただ、業者によって提案内容や費用は異なります。
A社は「屋根塗装で問題ない」と言っても、B社は「葺き替えが必要」と提案することは少なくありません。
お医者さんと一緒で治療方法はさまざまです。
お住まいのメンテナンスやリフォームをご検討の際は、2社以上に調査をしてもらい、納得のいく提案をする業者とご契約されることをおすすめします。
お住まいの調査・工事内容の選択は屋根リフォーム相談窓口ご相談ください!
屋根・外壁は簡単に最適な工事内容を選ぶことはできません。
素材・劣化状態・内部の状況・お客様のご希望内容・ご予算などを全て考慮して選択する必要があります。
しかし、業者の中には表面だけを見て工事内容を提案することが少なくありません。
私たちは地域の皆さまに正しいメンテナンス・リフォームをご選択いただけるよう、各工事の相談窓口として5社で設立しました。
加盟店は屋根や外壁のプロフェッショナルで、毎月勉強会も行っています。
経験・知識が豊富で高品質な工事ができるリフォーム業者のみを加盟条件としているため、安心してご相談ください。
「うちはどんな工事が必要?」「他社で取った見積もりは適切か見てほしい」「何の屋根材が使われているか教えてほしい」など、お気軽にお問合せくださいますと幸いです。
親切・丁寧に対応させていただきます!