「屋根が剥がれてますよ」と指摘して高額な工事契約を促す被害が多く発生しています。
このような屋根を指摘する業者のほとんどが訪問販売業者です。
点検商法や指摘商法といった手口で訪問してくる業者のトラブルは、国民生活センターに年間5,000件以上も相談が寄せられています。
こちらでは屋根を指摘してくる業者の被害事例や対処方法などをお伝えさせていただきます。
「屋根が剥がれてますよ」突然の訪問販売業者からの指摘
「屋根が剥がれてますよ」と突然不安を煽るようなことを言われると焦ってしまうかもしれませんが、大事なことはその場で契約しないことです。
迂闊に屋根に登らせてしまうと屋根を壊されたり、業者の巧みな話術で言いくるめられたりする可能性があります。
国民生活センターによると屋根工事の点検商法は2022年度で最も多くなり、2018年度から約3倍も膨れ上がっています。
契約当事者の8割超えが60歳以上なので、とくに高齢者の方は注意していただきたいです。
警視庁も屋根の点検をはじめとする飛び込み営業に注意するよう呼びかけています。
引用元:リフォーム産業新聞 2024年7月1日号
詐欺被害者の6割が「自分は大丈夫だと思った」と口にする程、手口が巧妙になっています。
誰もが被害者になり得る詐欺の被害例や特徴を詳しくお伝えします。
屋根を指摘してくる業者の被害例
屋根を点検してもらったが、むしろ屋根を壊された
「近くで工事をしていて、屋根が割れているのが見えたからお伝えしにきました。今なら無料で点検します」
突然訪問してきて屋根の指摘があり、無料だから点検してもらいました。
点検を終えたら屋根が割れた写真や破片を見せられて「このままだと雨漏りしますよ」と……
周辺で工事をしている雰囲気がなく、なんだか怪しいと思ったので、後日、他の業者に見てもらったら「屋根が人の手で壊されている感じがしますね」と報告がありました。
きっとあの訪問業者が屋根を壊したのだと思います。
「雨漏りしますよ」と不安を煽られて高額な契約をしてしまった……
「今、キャンペーンで無料点検をしています!」と業者が来訪。
かなり傷んでいて雨漏りすると言われました。
どうしようか考えていたら間髪入れずに「このまま放っておくと建物の寿命が縮んでしまいます。今日契約してくれたら工事費を割引します!」と言われて250万円もする高額な契約をしてしまいました。
工事の仕上がりはどう見ても250万円もしなさそうなので、調べてみたら相場よりはるかに高いお金を払っていることに気づきました。
業者に問い合わせてもまったく連絡が取れず、泣き寝入りするよりほか仕方がありません。
最初は安い工事費だったが、追加工事が増えて最終的に高額なお金が掛かってしまった
突然、家のチャイムが鳴り「屋根板金が歪んでいます」と言われました。
屋根板金が歪んでいる写真を見せられましたが、本当に家のものなのか分からず、ですが真剣に説明をしてくれて、工事費も安かったので信用して契約をしてしまいました。
工事が始まると「あそこも状態が悪かったので追加で工事が必要になる」とそれが何度もあり、その度に追加工事の費用が嵩んでいきました。
結局、工事を終えた頃にはかなりのお金を支払うことに。
最初に来た人も工事が始まってからは一度も姿を見せません……
トラブルを起こす悪徳業者の実態
悪徳業者の特徴
問題となっている業者のほとんどが訪問販売業者です。
「近くで工事をしていてお宅の屋根が見えました」「このエリアでキャンペーンを開催していて無料で点検サービスをしている」などを口開きに最終的には契約を目的としています。
近年では「親方が屋根に異常があるから教えてあげてこい」という手法もあるようです。
「屋根が壊れている」「屋根板金が浮いている」「瓦がずれている」「屋根材が剥がれている」「漆喰が剥がれている」などこれらのセリフは鉄板です。
もしこのようなセリフを聞いたら悪徳業者である可能性が高いですから警戒してください。
このセリフに注意!屋根工事 点検商法の勧誘トーク
近くで屋根工事をしていて……
「近くで工事をしていて、お宅の屋根に異常があり教えにきました」
お隣からならともかく、何軒も離れたところから屋根がどうなっているのか目視で確認できるものではありません。
もしこのようなことを言われたら、どこで工事をしているのか、会社名などを聞きましょう。
曖昧な返答ならトラブルの元なので距離を取るのが無難です。
すぐに修理しないと雨漏りしますよ!
不安を煽って工事を迫るのも悪徳業者の常套手段です。
雨漏りと聞くと焦ってしまうかもしれませんが、現状、雨漏りしていないのなら一度冷静になって他の業者にも声をおかけください。
悪徳業者は考えさせる時間を与えないようにあの手この手を使って契約を迫ります。
他の業者が入るのも良しとは思っていません。
今日契約をしてくれたら値引きします!
「キャンペーン」「値引き」などは悪徳業者がよく使うワードです。
工事費というのは根拠なく値引きができません。
適正価格なのか比較できるように相見積もりをしましょう。
火災保険を使えば無料で修理できます!
火災保険を餌に勧誘するケースもあります。
火災保険は様々な災害に対して保険金が出ますが、必ず無料になるというわけではありません。
火災保険に関するトラブルも多く、その原因となっているのが訪問販売業者です。
火災保険で勧誘する業者は「屋根が剥がれていますよ」と指摘してくる業者と実態が同じなのです。
訪問販売業者はいったいどんなところを指摘してくる?
屋根材が剥がれている状態とは?
屋根は風の煽りを強く受けるところなので、屋根が剥がれてしまうことがあります。
ただし、屋根の上で起こっていることを目視で確認するのは至難の業です。
年数が経っていると経年劣化で屋根材が割れやすくなっているため、そう易々と屋根に登るわけにはいきません。
今ではドローンで確認することが増えています。
屋根板金が浮いているとはどんな状態?
訪問販売業者が指摘する「屋根板金」とは、棟にある「棟板金」を差しています。
棟板金も風に煽られて歪んだり、浮いたりしますが、目視で確認できなければ、おそらく何も不具合は起きていない可能性が高いです。
台風シーズンは棟板金が飛ばされる被害が多く起きています。
不安な方は信頼できる業者に点検してもらいましょう。
訪問販売業者の対処方法
質問に答えず、会話を控える
飛び込み営業はどんなに人柄が良さそうでも毅然と断ることが大事です。
少しでも質問に答えてしまうと相手のペースにのせられて隙ができてしまうかもしれません。
「すでにお願いしている業者がいますので大丈夫です」 「個人情報なのでお答えできません」 とはっきりお伝えて会話する意思がないことを示しましょう。
屋根に登らせない
「無料だし、点検くらいなら……」と安易に屋根に登らせてしまうとトラブルを招く恐れがあります。
屋根は下からだとどんな状態か分かりませんので、確認できないお施主様が不利な立場になります。
ひどい業者だと「嘘を言う」「他の家の写真を今撮影したように見せてくる」「わざと屋根を壊してあたかも前から壊れていたと伝えてくる」という手を使ってきます。
焦ってすぐに契約しない
不安を煽ってきたり、強い口調で迫ってきたりすると、その場で契約をしそうになるかもしれませんが、冷静になることが重要です。
クーリングオフもありますが、悪徳業者が素直に応じるわけがありませんし、連絡が取れなくなるケースもあります。
悪徳業者とのやりとりは大きな負担となりますので、焦ってすぐに契約することだけは絶対に避けましょう。
一人で決めないで、他の人に相談する
訪問販売業者は短期決戦なので、契約をしてくれるまでしつこく迫ってきます。
他の業者や家族などが入ってくるのを嫌いますので、一人の時に決断させようとします。
ですが、本当に深刻な状態なら一日、二日でなんとかなるものではありません。
工事費も高額になりますから、一人で即決せずに家族や他の業者にも相談して慎重に判断してください。
もし、契約をしてしまったら……
「焦って契約をしてしまった……」
このような場合もご安心ください。
契約してから8日以内ならクーリングオフ制度をご利用できますし、消費者生活センターなどの第三者機関にもご相談できます。
クーリングオフ制度で解約できます!
クーリングオフ制度は訪問販売や電話勧誘で商品の購入、サービスの契約をした場合、8日以内なら無条件で申込を撤回したり、契約を解除したりできる制度です。
契約をしてしまった場合は、8日以内に契約書にある会社宛に申込の撤回、契約の解除の旨を書面で通知してください。
業者が契約解除をごねたり、威圧的な態度をとってきたりする場合は、クーリングオフできる期間が延長されます。
ご不明な点や不安がある方は「消費者生活センター」の窓口にご相談することをおすすめします。
第三者機関にも相談できます!
不安を感じている場合は一人で抱え込まずに第三者機関に相談してみましょう。
「住まいダイヤル」は国土交通大臣から指定を受けた住宅専門の相談窓口です。
中立・公平な立場から電話で相談できます。
公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センタ「住まいるダイヤル」
「屋根が剥がれてますよ」に惑わされない!
「屋根が剥がれていますよ」など訪問販売業者から指摘があったらこちらのポイントを必ずお守りください。
・質問に答えず、会話を控える
・屋根に登らせない
・焦ってすぐに契約しない
・一人で決めないで、他の人に相談する
信頼できる業者と出会うためには、
- 相見積もりをする
- 業者の名刺をもらう
- 業者の実態をHPなどで確認する
- 施工実績を確認する
が鉄則です。
屋根リフォーム相談窓口に加盟する工事店は、地域密着 自社施工店で活動しておりますので、万が一のお困りごともレスポンスよくご対応できます。
契約は8日以内ならクーリングオフが可能ですが、悪徳業者とのやりとりは大きな負担です。
なるべく関わらないことが望ましいですから、突然訪問してきて不安を煽られたとしても絶対に契約をしないようにしましょう。
お家のことでなにかお困りのことがございましたら解決のため力を尽くさせていただきますのでお気軽にご相談ください。