屋根の部分補修Partial roof repair
屋根がひび割れていたり、はがれていたりしているのを見つけると、雨漏りするんじゃないかとご不安になる方も多いと思いますが、焦らなくても大丈夫です。
屋根は、外側の屋根材の下に、ゴム製の防水シート(ルーフィング)が張られていて、屋根材が割れてもすぐに雨漏りするわけではありません。しかし、補修は必要です。防水シートも寿命は大体10〜15年ですから、防水シートに穴が開いていたり、破れがあると雨漏りにもつながります。
まずは信頼できる屋根工事店に見てもらうのが何よりも重要です。
スレート屋根のメンテナンスSlate roof maintenance
スレート屋根の割れ・剥がれの修理方法は、次の4つです。
- スレートの部分交換
- 屋根塗装
- 屋根カバー工法
- 屋根葺き替え
同じスレートでもアスベスト含有の有無や製造時期によって、最適な修理方法が異なります。
専門的な知識をもつプロによる判断が必要なため、ご自宅がスレート屋根の場合は当店にご相談ください。
スレート屋根の
アスベスト含有について
施工時期:2000年以前
アスベストを含んでいるものが多く、アスベストを含む屋根材は耐久性が非常に高いため、屋根塗装で問題ありません。
ただ、劣化状況によっては、カバー工法を推奨しています。
葺き替えは、アスベストを含む屋根材を撤去すると、防塵対策などで費用が高くなるため、カバー工法がオススメです。
施工時期:2000年~2008年頃
アスベストの含有が禁止になり、新しく出た屋根材の中には、耐久性が低い屋根材も多数あります。(ニチハのパミールなど)これらの屋根の場合は、カバー工法か葺き替えがオススメです。
それ以降は基本的には屋根塗装で十分対応可能です。
屋根塗装が難しい屋根材の代表例
メーカー | 商品名 |
---|---|
ニチハ | パミール |
松下電工 (現:パナソニック) | レサス エコ・シンプル シルバス シンフォニー |
クボタ (現:ケイミュー) | コロニアルNEO セイバリーNEO グリシェイドNEO グリシェイドグラッサ |
スレート屋根の部分補修
同じスレート材がメーカーの在庫にあれば、割れや剥がれある部分のみ新しい屋根材に交換できます。
20年以上経過していれば、在庫がないかったり廃盤になっている可能性が高いですが、破損の原因によっては似た屋根材で代用できる場合もあります。
飛来物などで屋根の一部が割れた場合は部分補修が可能ですが、経年劣化で割れた場合は、他の箇所が割れるのも時間の問題です。
陶器瓦のメンテナンスTile roof maintenance
瓦屋根で1番多く日本で使われているのは「日本瓦」で、割れ・剥がれの修理方法は次の4つです。
- 瓦の交換
- 屋根の葺き替え
- 葺きなおし
- 棟の取り直し、漆喰補修等
釉薬が塗られている日本瓦は、50〜60年と耐久年数が長いです。
耐久年数が短い、モニエル瓦などとは異なる修理方法があるので、瓦の状態や築年数などを全体的に判断した上で、正しい方法を選択しましょう。
割れた陶器瓦の交換について
同じ瓦が製造されていれば、割れ・剥がれがある瓦の交換ができます。1番安価に修理できるため、オススメの方法です。
陶器瓦の屋根は基本的には塗装が不要(外観を改善するための塗装はする場合があります)のため、瓦を一度おろして、その下の防水シートなどを補修して再度瓦を葺いていく葺きなおしなどが主な修理方法です。
その他屋根の状況に応じて、棟の歪みを直す棟の取り直しや、漆喰詰め直しなどの修理方法があります。
洋瓦のメンテナンスWestern tile roof maintenance
洋瓦は大きく分けると3種類あり、種類ごとに修理方法が違います。
- 金属瓦
- 粘土瓦
- セメント瓦(モニエル瓦)
屋根工事をした時の図面や見積書を見て、どの種類の洋瓦か確認しましょう。
ここでは、3種類の中で1番多いセメント瓦の補修について解説していきます。
セメント瓦と
モニエル瓦について
セメント瓦は塗装が必要です
セメント瓦は陶器瓦と異なり、表面の塗膜が劣化すると水分を吸ってもろくなるため、塗装によるメンテナンスが必要です。
モニエル瓦の塗装は要注意
セメントに砂利を混ぜたコンクリートで作られたのがモニエル瓦。モニエル瓦を塗装する際は、表面に残っているスラリー層という保護膜を、高圧洗浄などではがしてから塗装しないと、早期剥離につながるため要注意です。
セメント瓦は、塗装か葺き替えを
ご検討ください
セメント瓦は、1990年代に流行しましたが、寿命が20年程度と短く、現在では製造されなくなっています。
部分割れが発生した場合は、軽微な状態であれば、コーキングでの補修が可能ですが、葺き替えをした方が今後のメンテナンスも楽になるのではないかと思います。
他の屋根材に葺き替えが可能で、同じ洋風のアスファルトシングルは、価格も抑えめで洋風のデザインもキープできるのでオススメです。
金属屋根のメンテナンスMetal roof maintenance
金属屋根で多いのが、金属に亜鉛メッキを塗装したトタン屋根と、耐久性に優れたガルバリウム屋根があります。
トタン屋根は耐久年数が10~15年ほどなので、基本的には葺き替えをオススメしています。
ガルバリウム屋根は、屋根材によって塗装やシーリングのご提案をします。
屋根の表面にフッ素を焼付塗装しているようなものは、施工後20年ほどは塗装不要ですが、シーリングなどのメンテナンスは定期的に必要になります。
アスファルトシングルの
メンテナンスAsphalt single roof maintenance
アスファルトシングルは軽く薄い屋根材で、強風によって剥がれやすいという特徴があります。
屋根に吹き付けてある小石がぽろぽろと落下してきたり、アスファルトそのものが劣化して剥がれている状態が劣化のサインです
耐久年数は20~25年とそこまで長くないため、定期的に剥がれがないかチェックし、飛ばされてしまわないように注意しましょう。
アスファルトシングルは
症状ごとにメンテナンスが
異なります
強風による部分はがれ
はがれた箇所に、同系色のアスファルトシングル屋根を再度貼り付ける方法です。
経年劣化によるはがれ
経年劣化による部分剥がれは、剥がれがある一部を補修しても他も順々に剥がれてくるため、葺き替えリフォームが最適です。カバー工法も選択できますが、耐震性を考慮すると葺き替えの方がオススメです。
屋根材の種類ごとのメンテナンス方法をお伝えしましたが、屋根の修理は本当に深い専門知識がないと、失敗することも珍しくはありません。ですが、ご安心ください。当店では専門知識と豊富な経験をもとに、お客様の大切なお住まいにとって正しい修繕方法をご提案いたします。まずは一度ご相談ください。
棟板金のはがれや
サビ等の修理Roof ridge maintenance
屋根の1番高い部分にある棟板金は、風によるダメージを受けやすく、飛ばされてしまうケースが多くあります。
- サビが原因で欠損が発生
- 釘の劣化による浮き
- 下地の貫板の腐食
棟板金を「固定する力」が弱まることで、強風の影響を受けやすくなります。棟を固定している釘が浮いていたり、サビが目立つ場合は、早めのメンテナンスがオススメです。
棟板金交換:4,400円/m~
(足場代等別途)
換気棟への交換を
オススメします!
屋根裏は湿気がたまりやすい場所であるため、棟板金を交換するなら換気棟への交換がオススメです。
換気棟を設置することで、屋根裏にたまった湿気を逃し、結露を防ぎます。
屋根裏の湿度が高まることで結露を起こし、知らない間にカビが繁殖したり、木材が腐食したりすることもあるため、結露防止はとても重要です。
より快適に、より長く同じ住宅で暮らしていけるように、屋根をグレードアップさせてみませんか?