「近所の屋根瓦がズレている」と施主様からのご紹介
こんにちは。現場管理桑畑です。
焼津市にて塗装工事をしていたところ、施主様から「近所の家で瓦がズレていたから見てあげて」とお声がけいただき、ご近所のT様邸を訪問させていただきました。
【施工前】かなり派手な瓦のズレがありました
T様にもご快諾いただき、早速ドローンで見させていただきました。ご覧の通りだいぶ瓦がズレていました。




幸い雨漏りはないそうですが、いつ雨漏りになってもおかしくない状況です。(瓦などの屋根材の下には防水シートがあるので、すぐ雨漏りにはなりにくいのです)
T様によると以前温水器を設置しており、それを撤去してから瓦のズレに気づいたものの特に問題がなかったので少し放置してしまったそうです。
ズレている部分の瓦を撤去して、下地の確認後に並べ直すこととなりました。
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瓦を一度撤去してルーフィングと桟木を新設
ズレている部分だけ瓦を取り外し、下地を確認しました。瓦がズレていたので桟木(さんぎ)やルーフィング(防水シート)に雨水が染み込んで劣化していました。






それらを部分的に撤去して、新しい部材に交換しました。
屋根全体を工事しなくても、このようにルーフィングや桟木を部分交換することができます。費用が抑えられるので、屋根自体がまだ丈夫な場合は部分的な修繕がおすすめです!
桟木(さんぎ)とは?
屋根の下地に取り付ける細い木材で、瓦をひっかけて固定するための部材です。瓦の裏にあるツメを桟木にかけることでズレや落下を防ぎ、きれいに並べる基準にもなります。
瓦は一枚ずつしっかりと固定


瓦は一枚一枚ビス打ちして、固定しました。
よっぽどのことがない限りズレの心配はありません。
昔の瓦は土の重みで乗せてあるだけでしたが、大雨や地震で瓦がずれたり落ちたりするリスクが高かったのです。
1990年代後半から国の基準が見直され、瓦を1枚ずつ釘やビスで固定する「全面緊結工法」が標準になりました。
現在では、建築基準法や瓦業界のガイドラインで「瓦はすべて固定する」ことが定められており、新築や葺き替えでは一枚ごとに固定が必須です。
棟のプラ面土が劣化していたので漆喰で補修




棟瓦の下にある「プラ面土」という部材が劣化してボロボロになっていたので、すべて撤去して漆喰を詰め直しました。
プラ面土って何?
正式名称は「プラスチック面土」といい、瓦屋根の棟部分に使う漆喰の代替材です。樹脂製で20〜30年持つ高耐久部材です。施工も簡単で工期を短縮でき、見た目も漆喰と同じように仕上がります。ただ、経年劣化で割れや欠けが起こります。
漆喰は耐久年数が15〜20年でプラ面土よりも短いですが、
- 自然素材で安心
石灰を主原料とするため環境にやさしく、伝統的な日本家屋との相性が良い - 美観性が高い
白く自然な風合いがあり、和風建築との調和が取れる - 通気性がある
適度な透湿性があり、瓦屋根との相性が良い
というメリットがあります。また、初期費用は漆喰の方が安いです。
(もちろん、長持ちさせたい場合は再度プラ面土を使用してもOKです)
↓↓漆喰補修の事例はコチラにも!


【施工後】瓦をキレイに並べ直し、漆喰のメンテナンスも完了しました




ズレていた瓦がキレイになりました!T様にも「雨漏りする前に直せてよかったです。ありがとうございます!」と喜んでいただけました。
これからの台風シーズン、瓦のズレや屋根材のはがれなどを見かけたらすぐに対応を!


今回は瓦がズレていても雨漏りはありませんでしたが、こうしたズレを放置すると高確率で雨漏りに繋がります。
また、今後の台風シーズンではズレた屋根材の飛散も予想されます。
- 明らかな屋根材のズレ、はがれ
- 屋根材が庭などに落下している
- 屋根からカタカタと異音がする
などの症状が見られたら、すぐに専門家に見てもらいましょう。
屋根リフォーム相談窓口には経験豊富なスタッフが揃っており、迅速に点検いたします。お気軽にご相談ください^^
最後までご覧いただきありがとうございました!