雨どいは住宅の屋根に降った雨水を効率的に排水し、建物を守る重要な役割を担っています。
そんな雨どいは経年劣化や自然災害による損傷により、歪んだり破損したりすることがあります。
そのままの状態にすると家の外壁や基礎を傷めることになりますので、修理や交換が必要です。
では、具体的にどのような工事を選択すればいいのでしょうか。
そこで今回は、雨どいの修理・交換について詳しく解説します。
状況別に必要な工事内容やそれぞれの費用相場、実際の施工事例についても紹介します。
雨どいに不具合が見られる場合はぜひご覧ください。
修理を行うケースと、それぞれの費用相場
まずはどんな時に修理を行うのかを見ていきましょう。
修理方法と併せて費用相場もご紹介しますが、足場が必要な場合など追加費用がかかる場合もあります。
記載されている費用は、あくまで参考程度になさってください。
雨水が溢れている・雨どいの詰まり

詰まり除去掃除の費用相場:約1~3万円
落ち葉やゴミによって雨水が詰まってしまうと、雨の日にオーバーフローを起こしてボタボタと雨水が落ちるようになります。
この状態を放置すると外壁や基礎を傷め、雨どいが外れてしまう恐れがあるため、できるだけ早めに除去しましょう。
基本的には脚立で登って手やワイヤーブラシでゴミを取り、ホースで洗い流してキレイにします。
掃除してもすぐ詰まる場合は落葉よけネット
落葉よけネットの費用相場:1mあたり約4,000円
環境によっては落ち葉などによってすぐ詰まりを起こしてしまう場合もあるでしょう。
頻繁に掃除をしなければならない場合は落葉よけネットの設置もご検討ください。
自然物の詰まりや鳥の巣を作られるのを防ぐことができます。
特に近くに大きな公園があったり、庭木がある場合にはおすすめです。
つなぎ目の補修

つなぎ目補修の費用相場:1か所あたり約5千円~2万円
雨どいのつなぎ目が破損していなくても、接着剤が外れることで水漏れを起こすケースがあります。
補修が可能な状態であれば外側からシーリングをすることで隙間を埋めることができます。
シーリングとはゴム製の樹脂で防水性・気密性の高いシーリング材を使って隙間を埋める作業を言います。
つなぎ目が破損している場合には交換をした方が安心です。
金具の緩みや外れ

金具補修の費用相場:1か所あたり約5千円~7千円
雨どいは金具によって建物に固定されていますが、緩んだり外れたりしてしまう場合があります。
固定力が低下すると雨どい本体が落下するため、できるだけ早めに対処をしましょう。
DIYはおすすめできません!
「少し掃除するだけ」「ホームセンターに修理できる商品があった」と、DIYをご検討されている方もいらっしゃるかもしれません。
下からゴミを取る程度であれば問題ありませんが、基本的には高所での作業となるので、落下事故の危険性があります。
誤った方法で掃除、修理をすると事態が悪化したり、思いがけない事故に繋がったりとトラブルになる可能性があるので無理をせずプロに任せましょう。
部分交換、全交換の費用相場
雨どいが歪んだり、割れたりした場合は軽度であれば補修で対応ができる場合もあります。
しかし、雨どいは雨水が大量に流れる場所なので、本体が破損している場合は修理をしてもすぐ再発する可能性があります。
ご予算や破損の状態にもよりますが、本体が破損している場合は部分交換や全交換をした方が安心でしょう。
部分的な破損は部分交換でOK

部分交換の費用相場:1か所あたり約3万円~5万円
雨どいはゴミの詰まりや自然災害などにより、部分的に破損する場合があります。
他の部分には問題なく、数か所だけ破損している際には部分交換をすればコストを抑えることができます。
ただ、破損箇所が多い場合や雨どい全体が寿命を過ぎている場合は全交換を選択しましょう。
何度も破損している箇所の部分交換を繰り返すと、かえって費用がかかる可能性が高いからです。
また、設置されている雨どいが廃盤になっていて手に入らない場合も部分交換はできませんので、全交換となります。
全体的な破損や寿命を迎えている場合は全交換

全交換の費用相場:約20万円~40万円
雨どいの損傷や全体的に劣化が進行している場合は全交換をご検討ください。
全ての雨どいを撤去・処分し、お客様がお選びになった種類のものへ交換します。
種類は塩化ビニールが安価で、ガルバリウム鋼板、アルミ・ステンレス、銅の順に高価になります。
高いものほど寿命が長い傾向にあります。
次の項目でそれぞれの素材の特徴を紹介します。
全交換するならどの素材?種類別の特徴と耐用年数
雨どいの全交換を行う際に迷うポイントの1つが、新しい雨どいの種類でしょう。
素材によっての違いを以下の表にまとめました。
種類 | 耐用年数 | メリット | デメリット |
塩化ビニール | 約10~15年 | ・安価 ・軽量で建物に負担がかかりにくい | ・紫外線に弱い ・劣化しやすい |
ガルバリウム鋼板 | 約20~30年 | ・サビや腐食しにくい ・比較的軽量 | ・塩害に弱い |
アルミ | 約20~30年 | ・サビにくい ・モダンなデザインになる | ・費用がやや高い |
ステンレス | 30年以上 | ・他の金属よりサビに強い | ・費用がやや高い ・施工の難易度が高い |
銅 | 30年以上 | ・経年で味が出る ・耐久性が最も高い | ・非常に高価 ・酸素に弱い |
雨どい修理・交換までの流れ
では実際に雨どいに不具合が見られた場合は、どのような流れで工事を行うのでしょう。
ここでは一般的な手続きの流れを紹介します。
まずはインターネットなどで、地域の修理業者を探して問合せましょう。
なお、業者によって価格設定や施工の技術力、対応の良し悪しなどが大きく異なります。
以下のページで紹介している信頼できる業者探しのポイントをご参考ください。

修理業者が雨どいの破損状況、長さ、素材などを確認します。
調査の際にはできるだけ立ち会い、劣化している箇所の説明を受けましょう。
屋根や外壁などの工事も行っている業者なら、お住まい全体の点検を依頼されることをおすすめします。
現場調査の結果やお客様のご希望内容をもとに見積書が作成されます。
その内容に不明点がある場合は、どんな些細なことでも確認しておきましょう。
全ての内容に納得できる場合は契約をします。
契約後は施工スケジュールなどの打ち合わせを行います。
この時に注意事項などの説明もあるので、しっかりと確認をしておきましょう。
見積もりや打ち合わせ通りの内容で工事が開始されます。
音などが気になる場合は外出しても問題ありませんが、職人には声をかけておいた方がいいでしょう。
確認しなければならない事態が発生する場合もあるので、連絡先も伝えておいてください。
工事が完了したら打ち合わせの通りの工事になっているか必ずご確認ください。
高い位置では確認できない所もあるので写真を撮ってもらいましょう。
屋根リフォーム相談窓口が行った雨どい修理・交換の施工事例
私たち、屋根リフォーム相談窓口では雨どい修理・交換の施工事例も多数ございます。
ここでは実際に施工した工事内容を紹介します。
静岡県藤枝市│雨樋どいからの水漏れの問合せで軒樋部分交換


「雨の日にたくさんの雨水が漏れてくる」と、ホームページをご覧になってお問合せくださいました。
雨の日にお問合せくださり、この後ご在宅されているとのことで、そのまま調査に伺いました。
すると、コーナー部分から雨水ボタボタと落ちていました。
こちらのお住まいは寄棟造で屋根周りをぐるりと軒樋が一周している設計です。
頂上から軒先に向かって屋根が4面で構成されている構造で、劣化による部材の伸び縮みのシワよせがコーナーに集中したことにより耐えきれなくなった箇所が割れてしまっていました。
今回はコーナー部分の交換と、屋根の漆喰も劣化していたので併せて漆喰詰め替え工事も行いました。
K様からは「少しの修理で済んでよかったです」と安心していらっしゃいました。
\詳しい施工事例はこちら/

静岡県富士宮市│建物の設計ミスにより雨漏りしたお住まいの水はけ改善工事


パラペット内がプールの様になっていたことで雨漏りが起こり、軒天にシミを作っていました。
排水口には泥水が溜まっていたため掃除をしましたが、大雨の日に雨漏りが再発。
雨漏りの原因は排水口の詰まりではなく雨水の排水にあることが分かりました。
雨樋のパイプが今まではパラペット内の排水口に垂れ流しでした。
雨量を減らす為にパラペットの壁に穴を開け、外の竪樋にヨセマスを取り付けて雨水を分散させることにより、問題が解消されました。
シミを作っていた軒天も新しく張り替えて完了です。
雨どいの不具合は屋根リフォーム相談窓口へご相談を!

雨どいは定期的な掃除や不具合の早期発見・早期対処によって長持ちさせることができます。
トラブルが起こっているにも関わらず放置し続けるとボタボタと雨水が落ちて外壁や基礎を傷めるので、できるだけ早めにプロに相談することをおすすめします。
また、知らず知らずの内に雨どいの劣化が進行している場合もあります。
修理では対処できない場合は部分交換や全交換をご検討ください。
修理も交換も業者によって価格や仕上がりが異なりますので、業者選びは慎重に行いましょう。
なお、屋根リフォーム相談窓口では屋根と大きく関係する雨どいの修理や交換も承っています。
屋根と雨どいは連携して雨水を適切に排水する仕組みですので、それぞれ単体ではなく総合的に状況を見ることが重要です。
屋根工事と雨どい工事、外壁工事についても対応可能です。
外装のことで気になる点やご不明点がございましたら、お気軽にお問合せください。