屋根板金と聞いて「屋根のあの部分だ」とピンとくる方は少ないかもしれません。お住まいの高い場所に設置されているため、知る機会はあまりないでしょう。
屋根板金は雨漏りの原因として1番多いと言っても過言ではありません。
知らず知らずの内に劣化していき、急に雨漏りが起こったり、板金自体が飛散したりするケースも。
そうなれば大がかりな工事が必要になるばかりでなく、費用も高額になる可能性があるため、できるだけ軽度な劣化状態の内にメンテナンスをすることが理想的です。
そこで今回は屋根板金とはどの部分なのか、どんな劣化症状があり、適切な修繕方法は何かを詳しく解説します。
どんな建物でも屋根板金が設置されていることがほとんどですので、ぜひ最後までご覧ください。
屋根板金とは?

屋根板金(やねばんきん)とは建物の屋根に設置されている薄い金属製の板を指します。
屋根板と屋根板のつなぎ目や、屋根と外壁などの間から雨水や害虫などが入り込まないように覆っています。
例えば、日本で最も普及率のスレート屋根の場合、屋根材はセメントが主原料のスレートですが、頂上の棟には必ず金属製の屋根板金が設置されています。
板金の素材は最近ではガルバリウム鋼板が増えていますがステンレス製やトタン、銅製が使われている場合もあります。
屋根板金ってどこにある?設置されている代表的な場所
『屋根板金』と一口に言っても、設置されている場所はさまざまです。基本的には屋根の弱点と言える場所に設置されています。
ここでは屋根板金が設置されている、代表的な場所を6つ紹介します。
棟板金(むねばんきん)

棟は屋根のてっぺんに設置されている山型の板のことを言います。
屋根の頂上部分は屋根材と屋根材が合わさる場所になり、必ず少しの隙間を設けます。屋根材同士がピッタリとくっついていると地震などで揺れた際にぶつかりあって割れてしまうからです。
その隙間から雨水や小さな害虫が入り込まないように棟板金で覆っています。
谷樋板金(たにどい・たにといばんきん)

谷樋板金は屋根と屋根が合わさる谷の部分に設置されている部材です。
スレート屋根や金属屋根だけでなく、日本瓦の屋根にも設置されている場合があります。
屋根の谷となる部分は雨が流れるため、谷樋板金は劣化スピードが早く、雨漏りの原因となることも非常に多いです。
雨押え板金(あまおさえばんきん)

雨押え板金は屋根と外壁のつなぎ目や、屋根と煙突のつなぎ目などに設置されている金属製の板で、雨仕舞いとも言います。
外壁などから伝ってきた雨水が屋根との接合部に浸入するのを防ぎ、雨漏りのリスクを低減しています。

ケラバ板金(けらばばんきん)

ケラバとは切妻屋根や片流れ屋根の軒がない面の先端部分をいいます。もっと簡単に言えば、屋根の先端で雨どいの付いていない部分です。
ケラバは日当たりが良い場所なので紫外線の影響を大きく受けることから丈夫な板金で保護されています。
また、屋根の先端がむき出しだとボロボロに傷んできますが、板金があれば雨水の浸入も防止できるので設置されています。
軒先板金(のきさきばんきん)

軒先板金は、その名の通り軒先に取り付けられている板金です。ちなみに軒先とは屋根の先端で雨樋が取り付けられている部分をいいます。設置されている箇所が違うだけで、ケラバ板金と役割は同じです。
屋根に降った雨水が最終的に集まり、劣化しやすい場所なので板金でカバーがしてあります。
天窓板金(てんまどばんきん)

天窓の周りにも板金が設置されています。
天窓は室内に自然の明かりを取り込めるメリットがありますが、雨漏りが起こりやすい設備です。
雨漏りのリスクを少しでも低減できるよう、丈夫な板金で保護されています。
屋根板金の代表的な3つの劣化症状
雨水や害虫の浸入している屋根板金は年月が経つにつれて徐々に劣化していきます。
劣化した状態を長期間放置し続けると雨漏りやシロアリの発生など、お住まいの内部にも影響を及ぼすため、できるだけ早めに修繕しなければなりません。
ここでは屋根板金について知っておきたい代表的な劣化症状を3つ紹介します。
1.固定している釘の浮き、抜け

屋根板金は釘で固定されている場合がありますが、年月が経つにつれて徐々に釘が浮いたり抜けてしまいます。
その理由は板金が熱くなる・冷えることによって膨張・収縮を繰り返して釘が引っ張られるからです。
釘が緩んだり抜けたりすると板金が浮いてしまい、隙間ができて雨水が浸入する恐れがあります。
2.板金自体が浮く、飛散する

棟板金自体が浮くと、その下にある貫板という下地が腐食し、写真のような状態になります。
さらに雨水が室内に浸入し、雨漏りが起こったり湿った木材を好むシロアリを呼び寄せたりします。
また、強風が吹いて棟板金自体が飛散することもあります。
そうなれば隣近所の家や車を傷つけたり、最悪の場合は人に当たって大けがを負わせたりする可能性もあります。
そうならないよう、定期的に釘や棟板金の浮きをチェックする必要があります。
3.サビて穴が空く

金属製の部材はどうしてもサビが発生します。
昔よりもサビにくい素材が使われることも増えてきましたが『絶対にサビない板金』は今のところ存在しません。
1度サビが発生すると自然回復することは決してなく、板金自体が脆くなり、やがて穴が空きます。穴が空けば雨水や風、害虫などが浸入してお住まいを傷めてしまいます。
また、サビは見た目にも悪く、板金以外の場所にも移してしまいます。これは『もらいサビ』と言われている現象でサビが起こらない素材にも移って美観を大きく損ねます。
屋根板金の修理方法・交換方法と費用相場
屋根板金は雨が当たりやすい場所に設置されているため、定期的なメンテナンスが必要です。修理できないほど傷んだ場合は交換をして雨漏りなどのトラブルを防止しましょう。
ここでは各修理方法や交換でかかる費用の目安を紹介します。
棟板金の釘打ち直し+コーキング

棟はどうしても釘が浮いてきてしまうため、定期的に打ち直すことが必要です。
釘を打ち直したら、さらに釘頭にコーキングというゴム製の樹脂を被せてもらえれば抜けにくくなります。
棟板金の釘の打ち直しとコーキングによる補強の費用相場は約2万円~です。
谷樋板金の掃除

屋根の凹んだ部分になる谷樋は落ち葉などのゴミが詰まりやすくなります。
詰まりは放っておくと雨水が正常に流れずに溢れ、谷樋の劣化スピードを早めます。
さらに溢れた雨水が他の部材も傷めるため、お住まいの耐久性を下げたり雨漏りが起きたりするリスクが高くなりますので定期的に掃除をすると安心です。
谷樋板金の掃除の費用沿えばは約1万円~です。
棟板金・貫板の交換

棟板金が歪んだり飛散した場合は補修が難しく、交換となることが一般的です。
下地である貫板まで腐食している場合は貫板の交換も併せて行います。
棟板金の交換は7000円/㎡~。
貫板の交換は約6000円/㎡~です。
使用する建材や棟板金の長さなどによって費用は変わります。
サビ止め塗装

板金はサビる素材なので防止するためにサビ止めが塗布されています。
サビ止めの効果は徐々に効果を失っていくため、定期的に塗り替えて効果を回復させる必要があります。
サビ止め塗装の費用相場は約5万円~です。

屋根板金の工事は火災保険が活用できる場合もある

屋根板金の修理や交換は場合によっては火災保険が適用されるケースがあります。経年劣化の場合は適用外ですが、修繕の理由が台風や強風などの風災と認められた場合です。
ここでは火災保険が適用される条件や申請の流れを紹介します。
火災保険が適用される条件
ここでは一般的に屋根工事で火災保険が適用される条件について紹介します。ただし、実際に火災保険が適用されるかどうかは、状況やご加入されている保険内容によって異なります。
・風災による被害が原因の工事
・工事が必要になってから3年以内
・工事費用が20万円以上
・申請は代行者ではなく本人が行う
「申請を自分でやらなければならない」ということにハードルの高さを感じるかもしれません。
しかし、業者によってはサポートしてくれる場合があるので工事について相談する際は「火災保険を利用したい」ということを伝え、不明点はどんどん質問しましょう。
申請の流れ

本人確認後、被害状況についていつ、どこが、どのように起こっているのか伝えましょう。
建物の状態を修理業者に確認してもらい、被害箇所の写真の撮影と見積書の作成を依頼しましょう。
なお、見積もりの内容に納得がいかない場合は他の業者にも相談することをオススメします。
保険金申請書や事故状況説明書などを記入し、申請に必要な書類を用意して保険会社に送付しましょう。
申請が承認されれば保険金が支払われます。
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業者によって提案する工事内容、使用材料、費用は大きく異なるものです。
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